マグミクス | manga * anime * game

【シャーマンキング30周年への情熱(71)】『THE SUPER STAR』麻倉花の目的を読み解くヒントは連載タイトルに

タイトルが意味する、麻倉花の成長と目的とは?

朝倉花が表紙に描かれる、『SHAMAN KING THE SUPER STAR』第1巻(講談社)
朝倉花が表紙に描かれる、『SHAMAN KING THE SUPER STAR』第1巻(講談社)

 今回のタイトルは「無知のちダチ」です。

 そのまま読むと「無知のあと、友達」ということになり、この「友達」が今回の内容に関連するものであることは明白です。ただこれだけだと意味がよくわかりません。実はもうひとつ隠された意味があると思われるのですが、お気づきになったでしょうか? それは「無知の知(むちのち)」という言葉です。

 「無知の知」とはソクラテスの言葉で、「無知であることを知っている」つまり「自分がわかっていないということを自覚する」転じて「何事にも謙虚に、そして考えて臨め」という意味です。

 前回までの麻倉花は無知の知に至っておらず(そもそも深く考えていなかったのですが)、感情の赴くまま行動する傾向がありました。しかし「敵か味方かは自分が決める」という中泉八雲の言葉が腑に落ちたことで、自分なりに考えてから行動しようと思うようになりました。それは前回のガッコとのやりとりに描かれています。

 つまり今回のタイトルは「無知の知、のちダチ」という解釈が良いと思われ、「彼なりに考えて出した結論は、ダチ……」ということになるのでしょう。ただ最後が「ダチになる」のか「ダチを求める」のかそれ以外なのか、その辺はまだわかりません。「ダチ」がそのままの意味かどうかも不明です。

 このようなタイトルに意味を込めるやり方は、何も武井宏之先生に限ったことではありませんし、マンガだけのものでもありません。例えば絵画であれば、タイトルだけでなく額縁のデザインも含めて作品のテーマを表現していることもあります。とはいえ、物語のなかだけでなく、タイトルのようにその外側を利用して表現できる(こういうのを「メタ」と言ったりします)機会の多さで言えば、連載マンガは恵まれている方かもしれません。

 どうか皆さんもタイトルを読み飛ばさず、そこに込められた意味を考えながら内容を読む、もしくは内容を読み終えた後にタイトルに戻って意味を考える……といった楽しみ方をしてみてはいかがでしょうか?

 最後になりますが、今回テンプラ騎士団のメンバーの名前が明らかになりました。「シャーマンキング」のキャラクターは、その名前に何らかの元ネタがあることで有名ですが、今回は何なのかを考えてみるのも楽しみのひとつだと思います!

 それでは今回はこの辺で! 次回もよろしくお願いします!

(タシロハヤト)

【画像】「シャーマンキング」武井宏之先生が生み出したキャラが活躍! 放送中の夏アニメ『ブッチギレ!』

画像ギャラリー

1 2 3

タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k

タシロハヤト関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

マンガ最新記事

マンガの記事をもっと見る