『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』BS12で放映 リメイク版から消えた森雪へのセクハラ
昭和期にはギャグとして描かれたスカートめくり

オリジナル版ではヤマトの女性乗組員は、森雪しかクローズアップされませんでしたが、『宇宙戦艦ヤマト2199』では女性キャラクターが大幅に増え、『追憶の航海』でも大いに活躍します。情報長の新見薫は、新しいヤマトにとって重要な存在です。また、航空隊には女性パイロットの山本玲がいます。衛生士の原田真琴、船務科士官候補生の岬百合亜も、欠かせない人材です。
女性クルーが活躍する一方、オリジナル版にあった森雪へのセクハラシーンはなくなっています。オリジナル版のTVシリーズでは、分析用ロボットのアナライザーによる森雪のスカートめくりが、ギャグとしてたびたび描かれていました。しかし、アナライザーによる森雪へのセクハラシーンは、リメイク版からは消えています。
また、オリジナル版のTVシリーズでは、初ワープの際に森雪が全裸に見える幻想的なシーンがありましたが、これも『宇宙戦艦ヤマト2199』ではマイルドな描写に留めています。今回の『追憶の航海』では初ワープシーンそのものが、あっさりしたものになっています。
女性キャラクターの増員やセクハラシーンのカットにも、昭和期に製作されたオリジナル版から時代が大きく変わったことを感じさせます。
ガミラス人との和解は可能か?
オリジナル版から脚色されたポイントで、もうひとつ注目したいのは、地球のことを「テロン」と呼ぶ、ガミラス側の視点が大幅に入っているところです。デスラー総統による軍事独裁政治が続くガミラス帝国ですが、ガミラス人全員が必ずしも地球との全面戦争を望んでいるわけではないことに、ヤマトの乗組員たちは気付きます。
戦いのなかで多くの命が奪われ、地球とガミラスは激しく憎しみ合うようになりました。しかし、裏表のない真っ直ぐな性格の古代進や森雪らと交流することで、地球人に好意を抱くようになるガミラス人も現れます。
異なる文明を育んできた地球人とガミラス人は、果たして理解しあい、和解することはできるのでしょうか。リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』と『追憶の航海』には壮大な冒険とロマンスの復興に加え、平和を願うテーマ性も感じさせます。今、観るべきアニメだと言えるでしょう。
(長野辰次)



