ファミコン少年が「バレンタインデー」に目もくれず遊んだゲームは?「チョコよりも世界救いたい」
同じゲーマーでも「格差」が広がった?

●チョコよりも冒険! 王女との旅に胸をときめかせた1987年
初代『ドラクエ』のおかげでRPGの楽しさが徐々に広がり、満を持したタイミングとなった1987年1月26日に、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』が発売されました。シリーズ初のパーティ制が採用され、主人公たるプレイヤーの冒険は、もうひとりの王子と王女が支えてくれます。
特に王女はビジュアルも愛らしく、また犬の姿に変えられていたところを助けるなど、印象深い出会いもあったため、彼女に惹かれるファミコン少年が続出。「チョコなんてもらってる場合じゃない!」と言い放った……かどうかはさておき、彼女を作るよりも世界を救う冒険にのめり込み、ひたすら『ドラクエII』の世界を駆け巡りました。
ちなみに前年12月には、『マドゥーラの翼』や『レイラ』といったパッケージを美少女が彩ったゲームの登場も目を引きます。思えば、ゲームの美少女に惹かれていったのは、この頃からだったのかもしれません。
●冒険が忙し過ぎて、チョコをもらってる暇もない!? 充実したゲームライフに満ちた1988年
1988年は、後にメガドライブが発売され、前年にはPCエンジンも登場。ライバル機の登場も相まって、ゲーム業界はさらなる活気に包まれていきます。
前年12月には、パソコンで大ヒットを遂げた『ウィザードリィ』がファミコンに上陸。物語は最小限ながら、自らの手でダンジョンを攻略する手応えと、より強いアイテムを求めて戦い続けるハック&スラッシュ要素がプレイヤーを虜(とりこ)に。その魅力の高さはファミコン版でも変わらず、ファミコン少年たちもひたすらダンジョンに潜り続けました。
しかし、同じRPGというジャンルで、『ウィザードリィ』の独走を阻む協力なライバルも同時期にリリースされました。今も活躍を続ける人気シリーズの原点、『ファイナルファンタジー』が登場したのも1987年12月でした。映画のようなOPシーンや、意外な結びつきで驚かせたラスボスの存在など、こちらもファミコン少年たちの心を掴んで放しません。
そして1988年のバレンタインが間近に迫った2月10日、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が発売。シリーズ初の自由なパーティ編成や転職などの要素で、冒険に新たな深みが加わった名作が登場となれば、この年もチョコをもらってる場合ではありません。『ウィザードリィ』、『FF』、『ドラクエIII』と、RPG三昧の日々を過ごすのみです。
●80年代が終わっても、冒険の日々は終わらない……ファミコン全盛期が続く1989年
80年代も最後の1989年。翌年にはスーパーファミコンが登場し、ファミコンの活躍は徐々に少なくなっていき……と思いきや、1991年まではまだまだ最盛期のうち。1992年になっても100本近いファミコンソフトがリリースされ、ファミコンの現役時代は90年代にも及ぶほどでした。
前年の12月だけでも、令和でも大ヒットを遂げたボードゲームシリーズの1作目『桃太郎電鉄』、脱力系な世界観が唯一無二の『半熟英雄』、力の入った幕間と心を折る高難易度を両立する『忍者龍剣伝』、落ちものパズルの大ヒット作『テトリス』と、多彩なジャンルで人気作が続出。目移り必至のラインナップで、嬉しい悲鳴が上がる状態です。
ですが、ここでもやはり根強かったのがRPGです。前年のヒットを受け、待望の続編『ファイナルファンタジーII』が12月17日にリリースされました。この頃すでに『FF』人気も着実に積み上げられており、学校でも『ドラクエ』派と『FF』派に分かれるほどです。
年末に登場した『FFII』にゲーム少年たちは没頭し、1989年のバレンタインもプレイに熱中。結果、1987年から1989年までのバレンタインは、いずれも『ドラクエ』か『FF』で過ごした……という少年たちも少なくありません。2月14日は、彼らにとって普段と変わらぬ「冒険の日々」だったのです。
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80年代のバレンタインは、RPGと共にあった──と表現するのはさすがに言い過ぎかもしれませんが、当時はこれらのゲームが特に人気を博しました。あれから30年以上の時間が経った2023年のバレンタイン、あなたはどのように過ごしますか? ちなみに筆者は、『ホグワーツ・レガシー』で魔法魔術学校に入学する予定です。……チョコ? なんですかそれ?
(臥待)





