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【グルメマンガのすすめ】「美味しそう」だけじゃない! その奥深い味わいの世界とは?

数にあるマンガのジャンルのなかでも、年々人気が高まり、実に多様な作品が登場し続けているグルメマンガ。単に料理の美味しさを追体験するだけでなく、さまざまな楽しみ方で熱中できる、奥深い世界になってきているのです。その楽しみ方と代表的な作品について紹介します。

登場人物の”食べる表情”が読者をとりこにする

『ラーメン大好き小泉さん』4巻(竹書房)
『ラーメン大好き小泉さん』4巻(竹書房)

 無数にあるマンガの中でも、「食」、あるいは「食べること」を題材としたグルメマンガの人気が年々上昇し、その方向性や楽しみ方も多種多様になってきています。

「グルメマンガ」と聞いて、恐らく多くの人が思い浮かべるのは、ドラマ化もされている『孤独のグルメ』のように、登場人物が食べ物を味わうのを見て共感するといった楽しみ方でしょう。最近では『ラーメン大好き小泉さん』(鳴見なる)や『ゆるキャン△』(あfろ)などが大ヒット作です。

『ラーメン大好き小泉さん』は、ラーメンマニアである女子高生・小泉さんが、実在するラーメン店を巡ってひたすらラーメンを楽しむ作品。美少女が黙々と勢いよく、そして真っ直ぐにラーメンと向き合う姿が斬新で、食べた時のうっとりとした表情に思わず引き込まれます。アニメは深夜に放送されていたのですが、「ラーメンテロ」「こんな時間なのにラーメン食べたい…」と、ネット上でも大反響でした。

『ゆるキャン△』は、キャンプが大好きな女子高生たちの、冬のキャンプライフを描いた作品。冬のキャンプという限定的な題材だからこそ、「キャンプってこんなにさまざまな楽しみ方ができるのか!」と、目から鱗が落ちます。もちろんそこには、カップ麺のような簡単なものから鍋や豚汁、カレー、バーベキューなど、数々の“キャンプ飯”が登場します。寒空の下であったかい料理をほおばる彼女たちの幸せそうな笑顔が、「食」というものの楽しさを改めて感じさせてくれるのです。

 料理、そして食べている人の表情に注目させることで、リアルな「食」の幸せを表現している作品として大きな存在感を放つのは『幸腹グラフィティ』(川井マコト)。とある事情で1人暮らしをしている主人公・町子リョウ、そのはとこ・森野きりんを中心に、食事を通して温かい関係を築いていく……という物語なのですが、食べている時の恍惚とした扇情的な表情は、何か見てはいけないものを見ているような感覚に陥ります。

同作品が話題になって以降、このような系統のグルメマンガやアニメはもちろん、一般的な作品にも「食べる」ということを強調したシーンがより多くなってきているように感じます。

【画像】『ゆるキャン△』ほかアニメ化作品も多数。グルメ漫画の人気作(7枚)

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