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【秋ドラマ決定】今改めて考えたい、『孤独のグルメ』が愛され続ける2つの理由

今年2019年の10月クールTVドラマとして「シーズン8」製作が決定した『孤独のグルメ』。原作2冊で8シーズン製作されるその魅力を改めて解説します。

ほっとできる日常感、何気なさが魅力!

2019年秋に「シーズン8」の放送が決定している、ドラマ『孤独のグルメ』。(画像は2018年放送の「シーズン7」)
2019年秋に「シーズン8」の放送が決定している、ドラマ『孤独のグルメ』。(画像は2018年放送の「シーズン7」)

 今年2019年の10月クールTVドラマとして「シーズン8」製作が決定した『孤独のグルメ』。本作品は、輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が、仕事の合間にひとりで飲食店に入り食を楽しむ様子が描かれた作品です。原作は1997年と2015年に刊行されたコミックス2冊のみですが、今も多くの人から愛されている大ヒット作です。

 しかしたった2冊の原作からこれだけのドラマが作られるというのは珍しいこと。この2冊のマンガには、いったい何が詰まっているのでしょうか?

 原作もドラマも、ストーリーは「仕事をして、飲食店に入り食事をとる」と、いたってシンプル。井之頭五郎は、仕入れた商品をお客さんの家や店に届けたり、買い物の相談に乗ったりと、東京近辺を中心にあちこちをまわっています。そして仕事の合間に現場の近くにあるお店に入って食事をするのですが、彼はこの、ひとりで行なう食事の時間を“誰にも邪魔されない自分勝手になれる時間”として、とても大切にしています。「今日は何を食べたいか」「どのお店に入るべきか」と、道を歩きながら吟味していくのです。

 この、何を食べようかと考えながらお店を吟味し、行く先々で新しい料理と出会うひとときは、個人で日々戦っている彼にとって、肩の荷がおり力が抜ける数少ない時間であり、すり減ったHPを回復させる時間なのでしょう。

 そのため、料理に対しての細やかな感想を述べたりするのではなく、ただただ美味しそうに、時には少し不満を漏らしながら、自由に「食事」を楽しむのです。この“食レポ”ではない自然体の共感型のストーリーが、多くの男性の心を掴んでいるのではないでしょうか。また、登場するお店も、男性が1人でも入りやすい大衆食堂のような場所が多く、よりリアルに「行ってみたい」と思わせてくれます。

 そしてもうひとつ、本作品で特徴的なことは、グルメ作品でありながら主人公がまったくお酒が飲めない、ということです。

【画像】たった2冊のマンガから広がったドラマ『孤独のグルメ』を振り返る(5枚)

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