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ドラマで社会現象起こした『逃げ恥』の最新刊。連載再開でますます「考えさせられる」

男女両方の意見、まっすぐに描く

『逃げるは恥だが役に立つ』の連載が再開した、講談社「Kiss」2019年3月号
『逃げるは恥だが役に立つ』の連載が再開した、講談社「Kiss」2019年3月号

 最新刊の物語は、みくりと平匡さんが正式に結婚して2年半後から始まります。連載開始当時25歳だったみくりも30歳になりました。共働き生活も定着してきたふたりは家事も上手に分担。子供のことも考えたいけれど、会社の状況からはなかなか難しそう……と思っていた矢先、みくりに妊娠の兆しが…! そしてみくりの叔母である百合と風見の関係には変化が訪れていて…。

 今回はみくりの妊娠・出産を通して、男女それぞれが職場とどういった関係を築き、仕事と家庭を両立させていくのかが大きくテーマとなっています。

 妊娠によって家庭内に起こりうる問題、会社内の産休育休制度の男女差。それらとともとに、婦人科疾患、LGBTQ、ハラスメント問題、はたまた平匡さんを好きになってしまう人が現れたり……と、息つく暇もなく考えさせられる内容と、専門書並みのHOW TO。コミカルな登場人物たちは健在で、続編の1冊から読み応えが……すごいです……。

 みくりの妊娠による体調不良に、「女の人の方が大変なのだから」と頑張り過ぎてしまう平匡さん。作者の海野先生は連載の再開に踏み切られたお気持ちを「あとがき」で次のように書いています。

「もう描き切ったので続きはいいや、と思っていたのですが、なんやかんやで描くことになりました」
「女性の呪いについては描いたけど、男性の呪いについては描いてなかったな、と言うのが、モヤモヤと残っていたからです」

 少女マンガにおいて、これほどまっすぐに男女両方の意見が描かれることは多くありません。恋愛中の男女が「なんとなく察してほしい。言わなくてもわかってほしい」と言わないでいることをすべて口に出し、「会議」という、あえて距離を取る形で冷静に解決してきた『逃げ恥』。臨床心理士の資格を持ったみくりと、恋愛経験が皆無だった平匡さんの「世の普通」に囚われない、自分たちだけの生活スタイルの作り方には学ぶ点がたくさんあります。

 そして、10巻からより踏み込んだ内容のステージとなり、ふたりがこれから起こることにどんな答えを出していくのか、大変注目が寄せられるところです。

「経験した人しかなかなか分からない体感」というものはありますが、みくりと十月十日一緒に過ごすことによって、「妊娠を知る」経験をみんなで共有することができるのではないでしょうか。もう一度言います。

『逃げ恥』は、連載を再開しております!!新刊10巻出ております!!!!

 再びのドラマ化もありますように……。ぜひ一緒に、再びの『逃げ恥』ワールドへ行きましょう。

(別冊なかむらりょうこ)

【画像】もはや社会現象に。TVドラマ『逃げ恥』と連載再開の第一歩(6枚)

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