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『進撃の巨人』いよいよグランドフィナーレへ 世界中で巻き起こった熱狂の秘密とは?

「壁をぶっ壊したい」と願った諫山創氏

 TVアニメ『「進撃の巨人」The Final Season 完結編』ビジュアル (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
TVアニメ『「進撃の巨人」The Final Season 完結編』ビジュアル (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

 純粋すぎる正義感の持ち主であるエレン、身体能力に優れたミカサ、頭脳明晰なアルミン、といった分かりやすいキャラクター設定、スピード感のあるアクション、さまざまな伏線が張られた巨人をめぐる謎。『進撃の巨人』の人気の理由はいろいろと挙げることができますが、メガヒットした要因としては、2000年代の社会状況を的確にとらえていたことが大きいのではないでしょうか。

 第二次世界大戦の敗戦国となった日本は、高度経済成長を遂げることで経済大国として栄えました。他国との戦争もなく、平和を享受する時代が続きました。しかし、1990年代にバブル経済が崩壊し、以降はずっと閉塞的な状況のままです。エレンたちが暮らしていた壁に囲まれた街は、ガラパゴス化してしまった日本列島を思わせます。

 壁の外の広い世界に憧れるエレンたちに、共感を覚えた若い世代は多かったはずです。大分県の盆地にある日田市出身の諫山創氏も、閉塞的な状況だった日本社会の「壁をぶっ壊したい」という気持ちで『進撃の巨人』を描き始めたことが知られています。

 世界中で人気の『進撃の巨人』ですが、国や地域によって「巨人」の解釈は大きく変わるようです。大規模な民主化デモが起きている香港では、市民の自由を奪う巨人=中国共産党というイメージで見られているとのこと。ちなみに中国では、「暴力的な表現がある」という理由から、『進撃の巨人』のアニメシリーズは配信が禁じられています。

 日本や香港だけでなく、世界中の人たちが、恐ろしい「巨人」や社会を分断する「壁」の存在を現実世界に感じています。アニメ版の第4シリーズからの展開は、民族紛争や歴史認識といった問題をリアルに連想させます。欧州や中東での激しい戦火が報じられているこのタイミングで、NHKが「完結編」を放送することは非常に意味があるように思います。

賛否を呼んだ最終話はどう描かれるのか

 巨人とは何者で、どのようにして生まれたのか。壁の外の世界はどうなっているのか。『進撃の巨人』には、さまざまな謎が明かされていく面白さがあります。これらの秘密は、原作マンガの第22巻、アニメ版の第3シリーズ終盤で明かされました。エレンたちが初めて広い海を見たシーンが、実に感動的に描かれていました。

 しかし、美しくまとめた形で終わらないところが、諫山氏が生み出した『進撃の巨人』のすごさです。まだ幼さを残していたエレンたちが痛みを伴いながら大人へと育っていく成長の物語から、第4シリーズからは物語のスケールが壮大になり、内容も大きく変わっていきます。エレンも別人のように変貌することになります。

 アニメキャラとして初めて『仕事の流儀』に出演するエレンは、カメラに向かって何を語るのでしょうか。また11月5日放映の「完結編(後編)」は、賛否を呼んだ原作コミックの最終話をどのように表現するのでしょうか。巨人をめぐる長い旅は、もうすぐ終わりです。巨人がもたらしたものは何だったのかを、ぜひ確かめてください。

(長野辰次)

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