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『進撃の巨人』ととのえば悪しき業は断ち切れる? 作者がサウナを推す理由について深読みしてみた

『進撃の巨人』の作者である諫山先生はサウナ愛好家として知られています。しばしばおまけマンガなどでサウナが登場しており、そのタイミングやメッセージには隠された真意があるかもしれません。サウナ愛に隠されたメッセージを深読みしてみました。

サウナ愛を語る諫山先生

メインキャラがサウナに入っているイラストが表紙に! 画像は『別冊少年マガジン 2020年5月号』(講談社)
メインキャラがサウナに入っているイラストが表紙に! 画像は『別冊少年マガジン 2020年5月号』(講談社)

 差別の連鎖や生物の業(カルマ)など重厚なテーマを描き切った名作『進撃の巨人』の作者、諌山創先生はサウナ好きとして知られています。ワイドショーのインタビューで連載終了後はサウナを運営したいと発言したり、国内外に入浴施設を展開する「極楽湯」とコラボしたり、単行本のおまけマンガ『進撃のスクールカースト』ではキャラクターにサウナの「ととのい」を体験させたりするシーンまであります。

 ここまでのサウナ推しには何か理由があるのでしょうか。諫山先生と同じくサウナーの筆者が深読みしてみました。

●サウナの「ととのい」って何?

 サウナブームによって広く知られるようになった「ととのい」とは、外気浴中に感じられる特殊な体感のことです。サウナは熱い部屋(サウナ室)だけでは完結しません。サウナ室で体を熱した後、汗を流してから16度くらいの水風呂につかって体を冷やし、「ととのい椅子」と呼ばれるビーチチェアなどに腰かけて外気浴をする、これら一連のサイクルが「サウナ」です。

 サウナ室に入って汗を流すだけでは、体をボイルしただけなので「ととのい」ません。「ととのい」は体感なので個人差がありますが、つま先から暖かい血が巡ってくるのが感じられたり、めまいとは違う形で体がローリングする浮遊状態になってすっきりしたり、体がビリビリしたりとさまざまです。この「ととのい」こそサウナの醍醐味になります。

 諫山先生が、争ってばかりいる人類にサウナのととのいを体験させたのには、なにか理由があるのではないでしょうか。

●サウナは瞑想!

 ととのいを感じるにはリラックスして、一切の思考を放棄する必要があります。ととのいたいと強く願うほど体感は得られませんし、ましてや仕事のことなどを考えていたら絶対にととのいません。身も心もリラックスし、一切の思考を流れるままにして、執着しないという態度が求められます。サウナーはみんなととのいたいので、誰に言われるまでもなく日々実践していることです。

 このような姿勢は一種の瞑想だといえます。

【画像】こんなにある! サウナと『進撃の巨人』の深い関係を見る(4枚)

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