『進撃の巨人』ととのえば悪しき業は断ち切れる? 作者がサウナを推す理由について深読みしてみた
『進撃の巨人』の作者である諫山先生はサウナ愛好家として知られています。しばしばおまけマンガなどでサウナが登場しており、そのタイミングやメッセージには隠された真意があるかもしれません。サウナ愛に隠されたメッセージを深読みしてみました。
サウナ愛を語る諫山先生

差別の連鎖や生物の業(カルマ)など重厚なテーマを描き切った名作『進撃の巨人』の作者、諌山創先生はサウナ好きとして知られています。ワイドショーのインタビューで連載終了後はサウナを運営したいと発言したり、国内外に入浴施設を展開する「極楽湯」とコラボしたり、単行本のおまけマンガ『進撃のスクールカースト』ではキャラクターにサウナの「ととのい」を体験させたりするシーンまであります。
ここまでのサウナ推しには何か理由があるのでしょうか。諫山先生と同じくサウナーの筆者が深読みしてみました。
●サウナの「ととのい」って何?
サウナブームによって広く知られるようになった「ととのい」とは、外気浴中に感じられる特殊な体感のことです。サウナは熱い部屋(サウナ室)だけでは完結しません。サウナ室で体を熱した後、汗を流してから16度くらいの水風呂につかって体を冷やし、「ととのい椅子」と呼ばれるビーチチェアなどに腰かけて外気浴をする、これら一連のサイクルが「サウナ」です。
サウナ室に入って汗を流すだけでは、体をボイルしただけなので「ととのい」ません。「ととのい」は体感なので個人差がありますが、つま先から暖かい血が巡ってくるのが感じられたり、めまいとは違う形で体がローリングする浮遊状態になってすっきりしたり、体がビリビリしたりとさまざまです。この「ととのい」こそサウナの醍醐味になります。
諫山先生が、争ってばかりいる人類にサウナのととのいを体験させたのには、なにか理由があるのではないでしょうか。
●サウナは瞑想!
ととのいを感じるにはリラックスして、一切の思考を放棄する必要があります。ととのいたいと強く願うほど体感は得られませんし、ましてや仕事のことなどを考えていたら絶対にととのいません。身も心もリラックスし、一切の思考を流れるままにして、執着しないという態度が求められます。サウナーはみんなととのいたいので、誰に言われるまでもなく日々実践していることです。
このような姿勢は一種の瞑想だといえます。