創作物での「三姉妹」 なぜ定番? 「3」という数字には特別な意味も
なぜ「3」姉妹なのか?

日本のアニメやマンガにおける三姉妹モノ作品もまた多様な女性が登場します。北条司による『キャッツ・アイ』では、しっかり者の長女と活発な次女、ボーイッシュな三女が活躍しますし、羽海野チカの『3月のライオン』では、厳しい勝負の世界を生きる棋士の主人公と、川本家の三姉妹の心温まる交流が描かれます。川本家の三姉妹像は『若草物語』と似ており、長女はおっとりしていて母性的、次女は活発、三女は甘えん坊です。
また『若草物語』的な関係性の変奏曲としては、赤川次郎による小説『三姉妹探偵団』シリーズが挙げられます。同作では長女が天然ボケ気味で、次女がしっかり者、三女は甘えん坊ではなくケチな「ちゃっかり」者です。同作はシリーズ24巻が刊行されており、TVドラマ化や映画化(四姉妹探偵団に脚色)を果たしました。桜井のりおの『みつどもえ』の三姉妹像はさらに特徴的で、「丸井家三姉妹」は三つ子でありながら「日本でもっとも似ていない」といわれるほど外見や性格が異なります。
姉妹のキャラクター性の違いは、同じ家庭に生まれ育っていることから、純粋に彼女たちの個性の違いとして表現されているようです。三姉妹はキャラクターに性格付けしやすい関係性だといえるでしょう。
●「3」という魔法の数字
三姉妹はなぜ「3」姉妹なのでしょうか。3という数字には昔から特別な意味が込められています。特にギリシア神話では3の要素が色濃く現れており、「アトロポス」「ラケシス」「クロト」の「運命の三女神」や、「エウノミア」「ディケ」「エイレネ」の「季節の三女神」、「ステンノー」「エウリュアレー」「メドゥーサ」の「ゴルゴン三姉妹」などが登場します。「トロイの木馬」で知られるトロイア戦争も、「ヘラ」「アテナ」「アフロディーテ」の三女神が黄金の林檎を巡って、トロイアの王子「パリス」に審判を委ねたことが原因となって勃発しました。
ギリシア神話だけでなく日本の神話においても「3」は特別です。「アマテラス」「ツクヨミ」「スサノオ」の三貴神や、「八咫鏡」「天叢雲剣(草薙剣)」「八尺瓊勾玉」の「三種の神器」について聞いたことがある、という人は多いはずです。「大中小」「現在過去未来」「三度目の正直」「三日坊主」「三大◯◯」など「3」という数字には、物事を包括的に表現できる機能があるようです。
この「3」の特徴を「姉妹」と組み合わせたものが「三姉妹モノ作品」です。環境に左右されない純粋な女性の多様性と、その関係性が「三姉妹」作品に隠された魅力ではないでしょうか。
※『キャッツ・アイ』の「・」は、正しくはハートマーク
(レトロ@長谷部 耕平)




