『ウルトラマン』バルタン星人は優遇され過ぎ? 最多出演のほか「幻の企画」も
地球侵略に固執するあまり「地球通」になったバルタン星人

バルタン星人という名前の由来にはふたつの説がありました。フランスの歌手「シルヴィ・ヴァルタン」から取ったという説と、「ヨーロッパの火薬庫」といわれたバルカン半島から取られたという説です。これに関して飯島さんのコメントも一定しておらず、ダブルミーニングだった可能性が最有力でしょうか。
第2話のタイトルで「侵略者」とありますが、もともとバルタン星人は侵略目的で地球に来たわけではありません。母星が核実験で滅んだ結果、難民となった一団が乗っていた宇宙船の修理に立ち寄っただけでした。
しかし自分たちが住むのに地球が最適な星とわかり、侵略者に変貌します。その結果、多くのバルタン星人は宇宙船ごと、ウルトラマンによって倒されることとなりました。もっとも、この時に生き残ったバルタン星人は、R惑星へと移住します。この生き残りが、第16話「科特隊宇宙へ」に登場した「バルタン星人(二代目)」でした。
さらに第33話「禁じられた言葉」では、メフィラス星人の手下として「バルタン星人(三代目)」が登場します。ウルトラマンと戦うことはなかったものの、この登場で『ウルトラマン』最多登場怪獣の名誉を得ることになりました。
この最多出演という勲章が、その後のバルタン星人の活躍につながったといえるかもしれません。しかし、実はバルタン星人には他にも登場機会がありました。
それが幻の劇場用企画「ジャイアント作戦」です。『ウルトラマン』放送中に上映予定だった映画で、この作品にもバルタン星人の登場予定がありました。他の登場怪獣はすべて新作予定だったそうで、ここでも別格ぶりがうかがえます。
この他にも『ウルトラセブン』でバルタン星人の登場予定がありました。それが幻の未発表作品のひとつ「宇宙人15+怪獣35」です。バルタン星人が他の宇宙人と手を組んで宇宙連合軍を結成、冒頭でウルトラセブンを襲ってモロボシ・ダンに重傷を負わせるという展開でした。
幻の企画を振り返ってみると、いかにバルタン星人が第1期ウルトラシリーズで優遇されていたかがわかります。この後、ウルトラ空白期を盛り上げた『ウルトラファイト』の新撮部分にも何度か登場、セブンとの戦いを繰り広げることになりました。ここでは宇宙人も怪獣の扱いで、「バルタン」と星人抜きで呼ばれています。
その第158話「激闘!三里の浜」では、ハサミではなく人間の手のような姿のレアなバルタンが登場しました。その手には角材のようなものを持ち、セブンと戦っています。この角材持ちのバルタンは、2014年発売の「ガシャポン HG外伝 ウルトラファイト」のシークレット枠で立体化されました。
この後『レッドマン』にも登場したほか、『帰ってきたウルトラマン』第41話「バルタン星人Jrの復讐」では「バルタン星人Jr」が姿を現しています。この時に有名な捨てゼリフ「勝負はまだ一回の表だ」を残しました。初代に比べると、地球の文化にも精通していることがわかります。
その後の『ウルトラマン80』でも「お釈迦様でもご存知あるめえ!」といったセリフを口にしていました。侵略に固執することで、バルタン星人は地球文明を愛するようになったのかもしれません。
そんなバルタン星人も、昭和の時代は頻繁に侵略目的で地球に来ていたのに、最近ではトンとご無沙汰しています。バラエティ番組やCMだけでなく、令和のウルトラシリーズにも懲りずに登場してほしいと思うのは筆者だけでしょうか?
※記事内容の一部を修正しました(24日11時35分)
(加々美利治)

