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クソゲー認定ちょっと待った 子供が絶望した「AC移植FCゲー」はどうしてそうなった?

「バカゲー」を狙って元祖「クソゲー」になってしまった『いっき』

たったふたりでいっき! というストーリーは「バカゲー」狙いだったものの、移植が不完全すぎたために「元祖クソゲー」になってしまったファミコン版『いっき』。でも、おかげで知名度が上がったので結果オーライ?
たったふたりでいっき! というストーリーは「バカゲー」狙いだったものの、移植が不完全すぎたために「元祖クソゲー」になってしまったファミコン版『いっき』。でも、おかげで知名度が上がったので結果オーライ?

 サンソフトの『いっき』は「元祖クソゲー」ともいわれますが、少し事情が複雑です。

 重い年貢にあえぐ農民の「権べ」と「田吾」がいっきを起こすというストーリーですが、イラストレーターのみうらじゅん氏は『ドラゴンクエスト』の抱き合わせでファミコン版『いっき』を買わされ、「一揆はひとりやふたりで起こすもんじゃないだろ!」と面白おかしくいじりました。そして自腹で買ったのだから「バカゲー」ではなく……と呼んだことが、「クソゲー」という言葉の始まりだといわれています。

 みうら氏は「馬鹿っぽいゲーム」程度の意味でクソゲーと呼んでいますが、原作のアーケードゲームは佳作アクションゲームの域には達していました。

 主人公らは武器のカマを8方向に、歩きながら投げて攻撃できます。さらにパワーアップの竹槍を取れば、前方にしか攻撃できない一方、リーチが長く、移動速度はアップし、敵の忍者が放つ手裏剣に対しても無敵になります。これほど高性能なゲームの自機は、ちょっと珍しいほどです。

 ゲームの目的は、村に散らばる小判を集めることです。そもそも年貢として払った8両を取り返すことが一揆の目的のはずですが、なぜか村の中に8両あります。しかも千両箱まで落ちており、「一揆とは何か」と遠い目になります。

 そして画面の右にある「小判レーダー」は、戦いながら小判の場所を確認できる優れものです。そう新しいシステムではないものの、アーケードゲームでこうした機能を実装していたのは、当時『ラリーX』(ナムコ、当時)など数えるほどしかありませんでした。

 自機の操作はシャキシャキと快適で、ゲーム進行もスピーディ、小判を8枚集める代わりに代官を捕まえれば1面クリア、全8ステージを延々とループしてエンディングはないものの、周回するたびアイテムの配置が変わるなど、飽きの来ない作りとなっています。

 が、ファミコン版では竹槍のリーチが短くなり、無敵効果もなくなり、「竹槍を取ったら負け」といわれる格下げぶりです。便利だった小判レーダーも、バッサリと削除されています。さらにはマップが広くなり、迷いやすさが強まりました。

 その上、自機の移動も遅くなり、カマを投げながら移動もできず、千両箱など一部アイテムも削られ、ステージ数も8面から4面へと半減しています。だいたい、全てが「アーケードゲーム機より低いファミコンの性能」と「限りあるROMカートリッジ容量」のせいです。

 もしも、原作の『いっき』が忠実にファミコンに移植されていたなら、クソゲーと呼ばれていなかったのでしょうか。

 原作には権べと田吾がふたりきりでいっきを起こすオープニングデモがあり、意図的に「おバカ」を狙いに行っていると分かります。でも非常に完成度が高いので、バカゲー止まりになっていたでしょう。ファミコン版がアレだったおかげで「クソゲー」という言葉が生まれて良かったのかもしれません。

Nintendo Switch Online版『魔界村』:(C)CAPCOM CO., LTD. 1986, 2018 ALL RIGHTS RESERVED.
ファミリーコンピュータ版『いっき』:(C)SUNSOFT

(多根清史)

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