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人類滅亡か靴下か! 『ガンパレード・マーチ』は本当のガチで「何でもアリ」でした

人類を滅亡から救う英雄からソックスを集める変人まで、プレイの自由度は並ぶゲームなし! 24年前に現れた『ガンパレード・マーチ』の衝撃は凄まじく、今でも心惹かれている人々も少なくないことでしょう。現行ハードにはまだ移植されていない、唯一無二のゲームを振り返ります。

ずっと家に引きこもって人類が滅びてもOK! 底抜けな自由度の高さ

ほとんど広告もなく知名度はゼロ、そこから「ゲームの面白さ」だけで約20万本の売上を達成した『ガンパレード・マーチ』。PS2発売から半年後に登場したPS1用ゲームが、ここまでのブームを巻き起こすとは誰も思わなかったはず
ほとんど広告もなく知名度はゼロ、そこから「ゲームの面白さ」だけで約20万本の売上を達成した『ガンパレード・マーチ』。PS2発売から半年後に登場したPS1用ゲームが、ここまでのブームを巻き起こすとは誰も思わなかったはず

 これまで数々の「自由度が高いゲーム」が登場したなか、本当の意味で「何でもあり」を実現したのは『ガンパレ』こと『ガンパレード・マーチ』をおいて他にはないでしょう。世界を救う英雄の物語から、情念ドロドロの昼ドラ的な展開まで、たった1本のゲームで遊べてしまうのです。

 初代PlayStation(PS1)用の『ガンパレ』が発売されたのは2000年9月28日、PlayStation2が発売された約半年後のことです。すでにPS1の末期であり、しかも発売前の宣伝もほとんどなく、無名のゲームとしてデビューしたのでした。

 が、ゲーム誌『電撃PlayStation』が猛プッシュし、それをきっかけに口コミで広まり……というお話は、また別の機会とさせて頂きます。ともあれ、ただ「この面白さを他人に伝えたい」という情熱がほとばしるほどの傑作だったのです。

 謎の生命体「幻獣」が現れた架空の20世紀末、人類は滅亡の危機にさらされていました。日本でも幻獣が九州に上陸したなか、本州防衛のために熊本を要塞化し、少年少女を学徒兵として強制招集することになります。主人公はそうした学徒兵のひとりとして戦いに身を投じるのでした……要は「捨てごま」というわけです。

 そのような絶望のドン底から始まりますが、要は学園ものゲームです。主人公の「速水厚志」は第62高等戦車学校の5121小隊に配属され、3月4日から5月10日まで学徒兵として過ごすことになります。その内容は勉学に励んだり、クラスメートと交流したり、戦車技能の訓練をしたり、ちょっとキナ臭い学園生活といったところです。

 が、初日以外は学校に行かず、学業も訓練も交流もせずに、最終日まで家に引きこもることもできます。もちろん人類は滅びますが、誰も「厚志くん、士魂号(人型戦車=二足歩行ロボット)に乗りなさい!」と無理強いしたりしません。

 さて速水は戦車兵として配属されますが、この役職に縛られることはありません。転属願いを陳情して小隊の司令となり、部下に命令して勝利に導くもよし、整備兵となり、損傷した兵器を修理するバックアップに徹するもよし。「幻獣と戦うゲーム」のはずが、ほとんど自ら戦場に行くことなく、ひたすら仲間の戦果を待つだけのプレイもできてしまいます。

 そのような戦いなんて知ったことかと、ひたすら特定のキャラを追っかけ回したり、恋愛に明け暮れて二股や三股をかけたり、譲れないものを賭けて拳と拳で語り合ったりと、同じゲームと思えないほど多様な展開があり、プレイヤーの数だけ異なるドラマが生まれるのです。

【画像】こちらがゲームをかき回してくれた魔性の幼女「ののみ」です!

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