マーベルの新たな大作『エターナルズ』の重要テーマ? 人間の「多様性」に要注目
マーベルスタジオが2021年に全米公開予定の注目映画『エターナルズ』は、「アベンジャーズ」ともつながる人類の守護者の役割を担うヒーローたちを描く大作。これまでマーベルがヒーローに重ねてきた「多様性」のテーマも大きく注目されている作品です。
障害や人種の多様性を映像に盛り込む
マーベルスタジオ制作の映画『エターナルズ』は、MCUの過去作「アベンジャーズ」ともつながるとされる大作映画です。新型コロナウイルスの影響で2020年11月の公開予定が2021年に延期となりましたが、人類の守護者の役割を担う複数のヒーローたちで結成されたチーム「エターナルズ」を描く大作として話題になっています。
メインの舞台となるのは、『アベンジャーズ:エンドゲーム』(2019年)後の現実世界。アンジェリーナ・ジョリーの出演も注目されていますが、この映画では、マーベルが長年かけてヒーローとともに表現してきた「多様性」というテーマも見逃せない要素となりそうです。
「インフィニティ・サーガ」と呼ばれるマーベルの作品群では、トニー・スターク、キャプテン・アメリカ、ソーのいわゆる「ビッグ3」が目立っていました。その一方で、マーベル作品では女性をメインとした作品や、黒人ヒーロー、新スパイダーマンのような子供のヒーローを描き、多様性を見せています。
マーベルスタジオは2018年からハリウッドの大作映画において、出演者やテーマの多様性を確保する取り組みを続けていますが、『エターナルズ』では、どのような多様性が表現されるのでしょうか。
ひとつ目は、聴覚障害を持ったキャラクター「マッカリ」。原作では男性キャラとして描かれていますが、MCU版では女性が演じることが決まっています。マッカリは超人的スピードが特徴の科学者であり、エターナルズの基礎能力である飛行やエネルギー光線などの能力を失ってしまう代わりに、誰よりも早いスピードを手に入れているというキャラクターです。演じるローレン・リドロフも先天的な聴覚障害を持っており、映画では手話での会話が見られるでしょう。
マーベルは過去に、聴覚障害のキャラクターをコミックで生み出しています。ある難聴の少年を勇気づけるために、マーベルは“ブルーイヤー”というヒーローをデザイン。アイアンマンとともにヒーローチーム“サウンドエフェクツ”を結成するコミック作品も刊行されています。