コントローラー握ると人格豹変! 昨今問題の「暴言厨」はいまに始まったものではない
近年、オンラインゲームの問題点に「トキシック」、すなわち暴言が目に余るプレイヤーの存在がありますただ、思い起こせばファミコン時代からトキシックプレイヤーは存在しました。あの日の彼らと私を振り返ります。
まぁ、昔からいましたよね、そういう子
近年、オンラインゲームが増えるなか問題視されているのが「トキシック(toxic)プレイ」です。暴言を吐くプレイヤーのことをトキシックといい、いわゆるスラングで、元々の意味は「有毒な」「有害な」といったニュアンスになります。
思い起こせば、ファミコン期からそのようなプレイヤーは存在しました。幼き日のトキシックプレイを掘り起こしてみます。
●ホトケのヒロシ、コントローラーを持つと修羅に…車のハンドルと似たり
小学校の同級生ヒロシくんは、学校では掃除を手伝ってくれたり、体育のサッカーで下手な子のアシストをしてくれたり、笑顔がさわやかな優しく育ちのいい少年でした。
ところが、ひとたびファミコンのコントローラーを握ると人格が変わるトキシックキッズでした。『ファミリースタジアム』(ナムコ)をヒロシくんと何人かの友達で遊んでいたところ、まずバント、無駄なボール回し、フォークの連投と、対戦相手をイラだたせるプレイで空気を悪くします。
遊びの駆け引きとして、そういうものなんだなと受け取った対戦相手が同様のことをすると、ヒロシくんは「きたねえな、帰れよ」「これだから素人とはファミコンしたくねえ」と暴言を吐きまくり、ついには「どんくせえからサッカーも下手なんだな」とまで口にしたのです。授業中もそう思っていたのでしょうか? そして翌日の学校では、ニコニコのホトケのヒロシくんに戻るのでした。
地獄のような雰囲気でしたが、彼の家は金持ちで次々と新作ソフトを購入するので、恐怖と言語化できないモヤモヤを感じながら遊びに行っていました。それからというものの、TVなどで「車のハンドルを握ると人格が変わる」という話を聞くたびに、ヒロシくんがコントローラーを持ち、舌打ちをする姿を思い出します。