えっ、プレステ2のゲーム高すぎ!? ここにきて中古ソフトが高騰している納得のワケ
PS2発売から20年以上が経過した現在、ネット上ではその中古ソフト価格が高騰している、という声をあちこちで聞きます。実際、高くなっているようです。なぜここにきて高騰しているのでしょうか。
PS2のレアソフトは確かに高騰している
「PlayStation」発売から30周年を記念した特設サイトが公開されたなか、SNSやYahoo! ニュースのコメント欄では「最近はプレステ2の中古ソフトが高すぎる!」という声が多く挙がっていました。実際、高騰しているのでしょうか?
結論からいえば、PlayStation 2(以下PS2)のレアソフトの価格は高騰しています。レアソフトの代表格ともいえるケイブの『鋳薔薇(いばら)』は、中古ゲームソフト取扱店における5年前の買取価格が7000円前後だったところ、2024年11月現在は1万3000円から2万5000円程度にまで上がり、店頭販売価格も5万円を超えている例が見受けられます。大手フリマアプリでは通常版が3万円以上、初回特典付きの未開封品が10万円を超えた価格で取引されている状況です。高騰といって差し支えないでしょう。
そのほかにも『雪ん娘大旋風~さゆきとこゆきのひえひえ大騒動~』(スターフィッシュ・エスディ)や『真・マスターオブモンスターズ Final EX~無垢なる嘆き、天冥の災禍~』(システムソフト・ベータ)など定番のPS2レアソフトも、5年前と比較すると軒並み価格が上昇しているように見受けられます。
なぜPS2のレアタイトルは高騰しているのでしょうか。
もっとも大きな理由としては、円安が考えられます。PS2は世界累計1億6000万台を販売し、「世界一売れたゲームコンソール」として歴史に名前を刻んだハードです。当然プレイヤー人口も多く、マニアやコレクターを生む土壌が世界中に広がっている状況を生み出しました。
秋葉原では、海外からの観光客がお土産や投資対象としてレアソフトを購入する姿は、よく見かける光景です。そして円安は、そうした海外の方から見ればレアソフトが割安で手に入るわけで、よって値段は高騰せざるを得ないのです。このままソフトの海外流出が続けば、一部のレアソフトは日本からほぼ消滅する可能性を覚悟しなければいけないでしょう。
ただし、高騰しているのはあくまで一部のレアソフトであり、当時、非常に人気があった、つまり大量に出荷されたタイトルに関してはさほどの値動きを見せてはいません。
それよりも今、考えなければいけないのは、DVDの寿命です。CDやDVDは発売当初、永遠にデータを保存できる夢のメディアとしてもてはやされましたが、実際にはディスクそのものが劣化しデータを読み込めなくなる事例が多発しています。PS2時代のDVDもすでに寿命を迎えつつあるため、せっかくのレアソフトでも、もはや読み込めなくなっているディスクがあっておかしくはありません。
海外流出と記録媒体の劣化、双方の問題に対応するため、早急なアーカイブ化が必要な情勢を迎えている、そう思えてなりません。
(早川清一朗)