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ロボットの「最強必殺技」はどれ? 70年代ロボアニメこれが最強といえる超必殺技2選

必殺技を超える超必殺技を備えた2機のロボとは

最強の一角。「超合金魂 GX-18 ゲッタードラゴン」(BANDAI SPIRITS) (C)ダイナミック企画
最強の一角。「超合金魂 GX-18 ゲッタードラゴン」(BANDAI SPIRITS) (C)ダイナミック企画

 意見が分かれるかもしれませんが、『勇者ライディーン』(1975年)の「ライディーン」が、定番の必殺技を持った初めての主役ロボットでしょうか。その必殺技が「ゴッドバード」です。

 このゴッドバードによる攻撃が、ライディーン定番のトドメ技でした。もちろん、それ以外の必殺技でのトドメもなかったわけではありませんが、中盤までの敵はほぼゴッドバードでの決着となっています。

 このトドメの必殺技の定番化にはひとつの利点がありました。それはバンクシーンとして作品の作画枚数を減らせるという部分です。つまり必殺技をパターン化させることで、制作コストを下げることができました。

 もちろんトドメ技が定番化するというのは、ワンパターンと思われる可能性もあります。もっとも当時の子供、すなわち筆者たちは、むしろそのワンパターンをカッコよく思っていました。いわゆる『水戸黄門』の「印籠」と同じパターン化によるカタルシスだったわけです。

 さらにいうと、ライディーンにはゴッドバードを超える超必殺技「ゴッドボイス」が後半から登場しました。封印された最強武器、使えば自分自身にも被害を与える諸刃の剣、そういった設定が子供心に響きます。当時、多くの子供たちがゴッドボイスを最強武器と思ったものでした。

 しかし、これと同時期にもうひとつの超必殺技が登場します。それは『ゲッターロボG』(1975年)に登場する「ゲッタードラゴン」が後半から使うようになった、「シャインスパーク」でした。

 ゲッターロボといえば、3種類の形態に変化することで実力を発揮する主役ロボです。そのため、絶対的な必殺技は持っていません。ゲッタードラゴンも最初は旧ゲッターロボと同じく、「ゲッタービーム」が最大の必殺技でした。

 それを超えたのがシャインスパークです。1度の出撃で1回しか放てないというリスクも超必殺技らしさを持たせている設定です。その威力は絶大で、回避する以外に防ぐ方法はありません。後に続くシリーズでも、このシャインスパークを踏襲した必殺技がフィニッシュホールドとなることが多くあります。

 その威力がけた違いであることを証明するかのように、劇場版『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』(1976年)では、敵の「古代海獣ドラゴノザウルス」相手に、グレンダイザーやグレートマジンガーを差し置いてフィニッシュホールドとしてシャインスパークが使われていました。

 欠点としてよく指摘されるのが、シャインスパークの絶対的威力のため、トドメはゲッタードラゴンというパターンが増えたことでしょうか。つまり3つの形態に変幻自在だったゲッターロボが、その最大の個性を失ったわけです。

 このシャインスパークと、前述のゴッドボイス、共にそれまで持っていた必殺技を超える超必殺技として設定されたために、どちらが上か甲乙つけがたいものです。当時の子供もどちらの必殺技が上かと想像したことでしょう。筆者もよく考えていました。

 もっとも1970年代のスーパーロボットの最強技は、このどちらかというのは間違いないと思います。もちろん最強は人それぞれかもしれません。それぞれの胸の中には最強だと思う必殺技があることでしょう。作品の幅が広いと収拾がつかなくなるので、今回のように時代で区切って考えて見るといいかもしれません。

(加々美利治)

【画像】「弓さやか」「桜野マリ」「早乙女ミチル」…こちらが体当たりで物語を彩ったヒロインたちと「ライディーン」の「ゴッドバード」形態です(5枚)

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