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プロレスゲームの傑作『キングオブコロシアム』 エディットレスラーで夢の対戦に明け暮れた

日本のプロレスブームの変遷とともに、プロレスゲームもまた進化してきました。2002年発売の『キングオブコロシアム』は、自分好みのレスラーを作って闘わせることのできる機能が大きな特徴。プロレスファンにとっては、理想の試合をゲーム上で再現できる喜びがありました。

好きなレスラーを集めて闘わせる「エディットモード」

『キング・オブ・コロシアム(赤) ~新日×全日×パンクラスディスク~』(スパイク)
『キング・オブ・コロシアム(赤) ~新日×全日×パンクラスディスク~』(スパイク)

 新日本プロレスの中継、「ワールドプロレスリング」が金曜の夜8時にNET系列(現・テレビ朝日)で放映され、全日本プロレスの中継が土曜の夕方5時半から日本テレビ系列のブラウン管を飾っていた1980年代……。

 当時は全日本プロレスからA・ブッチャーが引き抜かれ、逆に新日のS・ハンセンやT・J・シンが全日に移籍するといった出来事があり、プロレスがかなり“アツい”時代でしたが、ゲームの世界でもアーケード機として1983年に『ザ・ビッグプロレスリング』が登場。翌年に『アッポー』、さらにその翌年には『エキサイティングアワー』が登場し、「名勝負数え歌」のごとくプロレスゲームの歴史が紡がれていきます。

 そのなかで筆者が忘れられない1本が、2002年12月にプレイステーション2用ソフトとして発売された『キングオブコロシアム』(以下、キンコロ)です。

 これまでリリースされたプロレスゲームでは、「ファイヤープロレスリング」シリーズをベストに挙げる方も多いと思いますが、この『キンコロ』は、まさにその直系の進化版。1996年にプレイステーション用として販売された『ファイヤープロレスリング アイアンスラム96』、そして1999年の『全日本プロレス~王者の魂~』など、ヒューマンが開発・販売し、その後スパイクへと受け継がれた路線が、しっかりと「闘魂伝承」されたシステムとなっています。

 もちろんゲームとしてのやりこみ度や操作性という点では「ファイプロ」シリーズが最も優れているという意見には、筆者も同意するところなのですが、『キンコロ』の魅力といえば、何よりも「エディットモード」で作ったレスラーをコンピュータ同士で闘わせることができるという点です(他のゲームでも可能ですが)。

 例えば、現実世界では実現不可能だった夢のカードを、プロレスのリングはもちろん、総合格闘技でも再現して楽しめます。自分で作ったキャラクター同士を闘わせ、それをただただ眺めるという行為は、ともすれば変人扱いされてしまうのかもしれませんが、『キンコロ』に関しては、あたかも「アブダビコンバット」を主催するアラブの王子様のごとく、好きな格闘家を集めて闘わせ、観戦を楽しんだという方も多いのではないでしょうか? 

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