『ウルトラマン』2代目のせいで干されてた? 30年ぶり再登場「メフィラス星人」の知的過ぎる戦略とは
紳士で狡猾なイメージで知られるメフィラス星人ですが、『ウルトラマンタロウ』で再登場してから実に30年以上干されていました。『メビウス』で久々に登場した彼は、汚名返上成功なるか?
30年干されていたのは2代目のせい?

『ウルトラマン』の第33話「禁じられた言葉」に登場したのがメフィラス星人。バルタン星人、ザラブ星人と比べても異質な存在感を放つ強敵でした。
最大の特徴はその高い知能、そして紳士的な態度でしょうか。自ら「暴力は嫌いでね」と語るメフィラス星人は、知略によって地球を支配しようと目論見ます。彼は、地球の子供に目をつけ、少年に対し地球を譲渡するよう「礼儀正しく」脅迫するのでした。いかにもマフィア的な「交渉」には、これまでの侵略者とは違う強烈なインパクトを残したのです。
とはいえ結局、交渉は決裂してメフィラス星人は激昂。案外、簡単に武力行使へと踏み切りウルトラマンと対決します。頭脳派のようで、実際のところウルトラマンとほぼ互角の戦いぶりを見せたのち「宇宙人同士が戦ってもしようがない」と自ら戦闘を終わらせます。
「私が欲しいのは地球の心だったんだ。だが、私は負けた。子供にさえ負けてしまった。しかし、私は諦めたわけではない。いつか、私に地球を売り渡す人間がいるはずだ。必ず来るぞ」
そういうと、高笑いとともにテレポートで去っていったのです。一連のこの動きを見れば、なるほど悪としての「格」のようなものを感じてしまいます。
初代メフィラス星人が残した余韻は凄まじく、「紳士」「知的」といったイメージは確たるものとして受け入れられたのでした。
そしてそんなメフィラス星人が去り際の言葉通り再登場したのは約7年後、『ウルトラマンタロウ』第27話「出た! メフィラス星人だ!」の回です。満を辞しての再登場ではあったものの、やってきたのは初代とは別個体の2代目です。顔つきや体型も異なるなか、最も異なっていたのはキャラクターでしょうか。
暴力を嫌い、交渉(脅迫)でもって地球の支配権を獲得しようとした初代に対し、2代目が採った侵略方法はジュースの自動販売機に神経毒を含む怪草を忍ばせ、世界中の子供を虚弱体質にするというもの。なんて、なんて非効率的なのでしょうか。
極めつけは、この作戦が「卑怯」と言われた際に飛び出した「卑怯もラッキョウもあるものか!」という歴史的な迷言です。その後、ウルトラマンタロウにパンチで腹を貫かれ、光線で溶かされるという小物にもほどがある最期を迎えました。
初代メフィラス星人のイメージを一挙手一投足ごとに破壊していくような、丁寧とすらいえる2代目の小物ぶりは衝撃以外の何ものでもありません。怪獣再登場企画の一環としてねじ込まれたとしか思えません。
結果としてメフィラス星人はその後のシリーズにおいてもなかなか出番が与えらない状態が続きます。完全に「干された」といっていいでしょう。
そして30年以上の歳月が流れます。時代も昭和から平成に移った2007年3月10日、『ウルトラマンメビウス』の第47話「メフィラスの遊戯」でついに復活を果たしたのです。

