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FCソフト『アテナ』小学生には刺激が強すぎた! こそこそ買った恥ずかしい思い出

アテナの歌声が聴こえる!

当時は音楽を聴くと言えばカセットテープ(画像:写真AC)
当時は音楽を聴くと言えばカセットテープ(画像:写真AC)

 そうしてやってきた発売日、ファミコンのカセットを安売りしている電器店で『アテナ』を目撃した瞬間、一瞬凍り付きました。ピンク色の大きな箱のパッケージに、でかでかと描かれた赤いビキニの女の子。これが『アテナ』のカセットだったのです。正直、小学生男子が買うには大分勇気がいるデザインでした。とはいえ、ここまできて引くわけには行きません。レジの人にお金を渡し、紙袋に包んでもらった『アテナ』の箱を受け取ると、知り合いに見られる前に、一目散に家に逃げ帰ったのです。もし『アテナ』を買う場面を誰かに見られていたら、翌日から確実にはやし立てられていたのではないかと思います。

 帰宅してすぐに箱を開けた筆者は、なかに入っていたファミコンカセットと、カセットテープを取り出しました。そう、このカセットテープこそが『アテナ』の目玉ともいえる、「アテナの歌声が聴こえる」、豪華特典だったのです。

 テープには、アーケード版『アテナ』の続編である『サイコソルジャー』のテーマソングやBGMが収められていました。その時は『サイコソルジャー』の存在を知らなかったので、なぜ『アテナ』の特典に『サイコソルジャー』の歌がついてくるのかはよく分かっていませんでしたが、この頃は歌が入っているカセットテープも貴重品だったので、音が擦り切れるまで聞いていた記憶があります。

 なお、テーマソングを歌っていたのは当時アイドルとして活動していた清水香織さん。後に横浜ベイスターズ(現:横浜Denaベイスターズ)で大魔神と呼ばれたリリーフエース、佐々木主浩氏と結婚し、子供ももうけていますが2005年に離婚、現在の消息は不明となっております。

『アテナ』のゲーム自体はオーソドックスな横スクロールアクションゲームで、当時としては極めて標準的な作品だったように思います。キャラクターは綺麗だったのですが、敵に攻撃したときのエフェクトがなくダメージを与えた手ごたえが薄かったのと、音はアーケードと比較するとやはり劣り、その点が一番厳しかったかなと思います。

(早川清一朗)

【画像】ドット絵に妄想を膨らませた美少女「アテナ」

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