ハヤタ役・黒部進さんが断言!『ウルトラマン』ヒット最大の理由とは何だったのか
怪獣との死闘、重厚なストーリー、『ウルトラマン』の魅力はたくさんあります。主人公のハヤタを演じた黒部進さんは、どのように分析しているのでしょうか。
ハヤタ隊員が思う「ウルトラマン」の魅力とは?

『ウルトラマン』という作品が、60年弱愛され続ける理由は、たくさんあげることができます。「ウルトラマン」と怪獣たちの格闘の迫力、ミニチュアの街が破壊される臨場感、「スペシウム光線」をはじめとする必殺技のかっこよさ、あるいは決して子供向けでは終わらない重厚な物語構成などなど、枚挙にいとまがありません。
これらはあくまでも、視聴者がいう『ウルトラマン』の魅力です。では、出演者側が考える魅力は何なのでしょうか。これに関して、主人公「ハヤタ隊員」役を演じた黒部進さんは、少し意外な回答をしています。2011年に放送された、「徹底検証!ぼくらのウルトラマン伝説~昭和のヒーロー『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』誕生秘話~」(BS日テレ)を確認してみましょう。
「フジ・アキコ隊員」役の桜井浩子さん、「アラシ隊員」役の毒蝮三太夫さんとの鼎談で、「ウルトラマン」のマスクに対する第一印象についてあれこれ話している際、黒部さんは当時を振り返りながら
「いまにして思うのは、(人気を支えたのは)成田亨さんがデザインしたフェイスですよ」
と、非常に興味深いことを話しています。成田亨さんとは、ウルトラマンや怪獣をデザインした芸術家にほかなりません。さらに同じ鼎談のなかで「あのフェイスのなかには勇気や理性だとか愛情、パワーとかがちゃんとどこかで感じられるのよ」と、ウルトラマンの意匠について熱く語ったのでした。
黒部さんのこの考えは決して、そのときの気まぐれなどではありません。2019年の第32回東京国際映画祭のアリーナイベントで、ウルトラマンの愛される理由を問われた際も、
「相当なデザインのパワーがあってウルトラマンが誕生したわけですから、言ってみれば僕よりも成田さんに感謝してほしいくらいです」
と、やはり「デザイン」こそが『ウルトラマン』の人気理由であると、確信をもって語っていました。
主演だった自身の演技や活躍は差し置いて、真っ先にウルトラマンをデザインした成田亨さんの功績を讃えている点は、ファンとしても非常に感動的であり、黒部さんらしい回答だと、しみじみと胸にきます。主演から見た『ウルトラマン』の魅力は、自身が映っていない「ウルトラマンの顔」だったのです。
ちなみに、毒蝮三太夫さんは、2011年の鼎談で、ウルトラマンの「顔」の第一印象について「ツタンカーメンを思い出した」「これが子供たちのヒーローになるかな」などと、彼らしい率直な感想を述べていました。どちらも、最高です。
(片野)
