マグミクス | manga * anime * game

『宇宙の騎士テッカマン』 語らずにはいられない、謎の男・アンドロー梅田の存在

1975年7月2日、TVアニメ『宇宙の騎士テッカマン』の放送が開始されました。 絵柄こそ古いもののアクションの派手さ、優美さは1970年代の作品とは思えないほどに洗練されています。また、謎の男・アンドロー梅田のミステリアスな雰囲気は当時の子供たちに強い印象を与えました。

先に見たのは『テッカマンブレード』

『宇宙の騎士テッカマン』Blu-ray BOX(キングレコード)
『宇宙の騎士テッカマン』Blu-ray BOX(キングレコード)

 1975年7月2日、TVアニメ『宇宙の騎士テッカマン』(以下、テッカマン)の放送が開始されました。宇宙を舞台に繰り広げられるテッカマンとワルダスターの迫力ある戦闘シーンと謎の男・アンドロー梅田のミステリアスな雰囲気は当時の子供たちに強い印象を与えました。幼少時には『テッカマン』を見る機会がなく、先に『テッカマンブレード』を見て興味を持ったというライターの早川清一朗さんが語ります。

* * *

 筆者が『テッカマン』を見たのは、ほんの数年前の話です。幼少時はなぜか再放送を見る機会すらなく、名前は知っているのに見たことがないタイトルのひとつとなっていました。

 それでも『テッカマン』に興味を持っていたのは、1992年に放送された『テッカマンブレード』(以下、ブレード)の影響が強かったためです。ひたすらに襲い来る悲劇を戦い抜いたD・ボウイが迎えたラストシーンの印象はあまりにも強烈でした。

 こうなると気になるのが、果たして『ブレード』の原点となった『テッカマン』とはどのような作品なのかということでした。ざっと調べて概要は把握できたのですが、諸事情あって実際の映像を見ることはなかなかかなわず、2015年にBlu-ray BOXが発売されたことにより、ついに機会を得たのです。

 実際に見てみた『テッカマン』は絵柄こそ古いもののアクションの派手さ、優美さは1970年代の作品とは思えないほどに洗練されており、当時のタツノコプロの実力の高さをうかがい知ることができます。

 またストーリーも環境破壊によって死に絶えた地球から人類を移住させるための超光速航法を開発するという、『ゴジラ対へドラ』と同様、社会問題化していた公害が行き過ぎればどのような事態が起こるのかを想定した、シリアスなものでした。

 実は『テッカマン』は当初1年間の放送予定が組まれていましたが半年で打ち切りになっており、本編のラストはテッカマンがワルダスターの宇宙要塞に突撃するところで終了しています。本来は、核によって汚染されてはいるが浄化すれば復興可能な惑星を発見したところでラストを迎える予定になっていたそうです。

1 2 3