『ウルトラマン』出演者が全員嫌がっていた、今となっては「おなじみ」のモノとは
国産初のカラー特撮ドラマ『ウルトラマン』は、その色彩をアピールするためにいろいろと「派手」です。その最たる例が、科学特捜隊の制服でしょうか。
確かに目立つけれど

1966年『ウルトラマン』は国産初のカラー特撮ドラマということで、随所に「色彩」を感じられるデザインが施されています。1966年の放送当時におけるカラーテレビの世帯普及率はほぼ「0」に近い数字でしたが、それでも「カラー特撮」には相当な気合が入っていたのです。
その象徴的なものが「科学特捜隊」の「隊員服」です。いまでも『ウルトラマン』という作品を思い出す際には、決まってあの鮮やかなオレンジ色の隊員服が同時に浮かんできます。オレンジ色のジャケットに、真っ白なワイシャツ、そしてこれまたオレンジ色のネクタイ、一度見たら忘れられないデザインです。
さて、あのシンボリックな「隊員服」ですが、科学特捜隊を演じた、役者陣の評判は相当にひどいものでした。いったい、どうしてでしょうか。
2011年に放送された特別番組「徹底検証!ぼくらのウルトラマン伝説~昭和のヒーロー『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』誕生秘話~」を観てみましょう。そこでは、黒部進さん(「ハヤタ隊員」役)と桜井浩子さん(「フジ・アキコ隊員」役)、毒蝮三太夫さん(「アラシ隊員」役)による、元科学特捜隊の鼎談が行われました。
その鼎談では、とにかく隊員服が「嫌だった」ことが、全員共通の認識として語られます。それぞれ個性の強い3人ですが、このときばかりはぴたりと意見が一致するのでした。やはり特徴的なオレンジ色は、いくら撮影用とはいえ恥ずかしかったようです。
とりわけ、銀座や丸の内などでの「外ロケ」だと、ひとりでいられず、いつも5人一緒に行動していた、という裏話も語られました。とてもかわいらしいエピソードではあります。
ちなみに、第17話「無限へのパスポート」では、「ホシノ少年(演:津沢彰秀)」にこの隊員服が授与されるシーンがあります。隊員服自体は、津沢彰秀さん本人も着たかったとのことですが、あのデザインに関しては内心「恥ずかしい」と思っていた可能性もなくはありません。
隊員服はたしかに「派手」なので、出演者の当時の気持ちは分からなくもありません。とはいえ、あのオレンジの色彩が科学特捜隊の明るい雰囲気をみごとに体現していたのもまた事実です。このまま記憶のなかで、燦然と輝き続けて欲しいと思います。
(片野)
