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子供たちの「遊び方」が変化 『ファミコン』の登場が理由だったのか?

1983年7月15日、任天堂より「ファミリーコンピュータ」が発売されました。今では自宅だけでなく、外出先でもゲームができるのが当たり前の時代に。「ファミコン」発売当時を振り返ります。

「ファミコン」が発売されたばかりの頃

ファミコンソフトを30タイトル収録『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)
ファミコンソフトを30タイトル収録『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)

 1983年7月15日はファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)が発売された日です。ファミコンの登場により子供たちの遊び方には徐々に変化が起き、やがて娯楽の王者としてなくてはならない存在になりました。ファミコンによる生活の変化を実体験したライターの早川清一朗さんが当時を回想します。

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 ファミコンの登場は、子供たちの生活に大きな影響を与えた……わけではありませんでした。少なくとも発売当初の時期においては、それほど変化はなかったように思います。友達の家に遊びに行って、ちょっとしたおもちゃで遊ぶ代わりにファミコンをするようになっただけだったのです。

 もちろん、当時の子供たちにとって、家でビデオゲームが遊べるのは一大事です。インベーダーゲームの存在は知っていても、不良のたまり場とされていたゲームセンターに行くのは怖くて仕方がありませんでしたし、そもそもお金を持っていませんでした。たまに駄菓子屋さんで遊べるくらいの憧れの存在だったゲームが家で遊べるとあって、ファミコンを持っている友達の家に、何度も通ったことを覚えている方もたくさんいると思います。
 
 実際、筆者が当時を回想しても、確かにファミコンはとても大きな存在でしたが、他に色々な遊びをしていた記憶ははっきりと残っています。公園で野球やサッカーに興じたり、空き地で虫取りをしたり、木登り、かくれんぼ、缶蹴り、魚釣り、ザリガニ釣りをして楽しみました。駄菓子屋さんではメンコ、ベーゴマを手に入れて遊んだこともありますし、今ではめっきり見なくなった、子供ならではの娯楽をここには書ききれないほどたくさん経験しています。一体どのようにして時間を捻出していたのか、当時の自分に聞いてみたくなるほどです。

 これらの生活が徐々に変化し始めたのが、おそらくは1986年のことになります。ちょうど『ドラゴンクエスト』が発売された年です。それまでのファミコンではアクションゲームやシューティングゲーム、パズルゲームといった、プレイ時間が短いタイトルが多かったのですが、プレイ時間が長いRPGが主流になるにつれ、徐々に娯楽の中心がファミコンへと移行していったように記憶しています。

【画像】ファミコン本体と同時発売されたソフトは?

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