「わりきれない」数字の真実『科学冒険隊タンサー5』 地球には3794の謎がある?
1979年7月27日は、TVアニメ『科学冒険隊タンサー5』の放送が開始されました。サンライズが初めてゴールデンタイム向けに手掛けたTVアニメで、アニメーションと特撮が融合した作品です。
10割る3だと割り切れない

1979年7月27日は、『科学冒険隊タンサー5』(以下、タンサー5)の放送が開始された日です。ストーリー部分はアニメーション、メカのシーンは特撮と、『恐竜冒険隊ボーンフリー』や『恐竜大戦争アイゼンボーグ』といった、当時しばしば製作されたアニメと特撮を融合させた作品です。子供の頃に喜んで見ていたはずが、その後まったく触れる機会もなく、20数年後にあるきっかけで不意に記憶が蘇った経験を持つライターの早川清一朗さんが回想します。
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最近ではまったく見かける機会はありませんが、筆者が子供の頃にはアニメーションと特撮を融合させた作品はしばしば放送されていました。しかし1980年代半ばにはまったく見かけなくなり、筆者の環境ではそれほど頻繁に再放送されることもなく、いつしか記憶の底に埋もれていきました。
筆者に『タンサー5』の記憶が蘇ったのは確か社会人になってからのことでした。当時、有志によって開催されていたアニソンのイントロクイズ大会に出場して惨敗した筆者は、次回に備え当時の友人と共に特訓に励んでいました。そんなある日、特訓中に友人が「これ分かりますか?」と言って流したのが、『タンサー5』のエンディング「わりきれなくて」だったのです。
「9割る 3だと割り切れる~ 10割る3だと割り切れない~」というユニークな歌詞を異様に良い声で朗々と歌い上げるこの曲は、すっかり忘れていたはずなのに、聞いた瞬間に「あ、これ『タンサー5』だ!」と記憶の底から蘇ってきたのです。
この曲のボーカルはビリー山口氏。一時は上條恒彦氏の変名とされていましたがこれは誤りで、実際には多くのミュージカルで音楽監督を務めるなど幅広い活動で日本音楽界を盛り上げてきた重鎮、山口琇也氏の変名のようです。本作ではオープニングの「タンサー5のテーマ」も担当しており、子供たちに向けて極めてハイレベルな歌唱力を披露してくれています。その印象的な歌声は、最後に聞いてから20年以上が経過しても、はっきりと脳裏に刻み込まれていたのです。