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難しすぎた『チャレンジャー』 “無敵”の裏技や忘れられないBGM

公開された無敵技、忘れられないステージ1

 電車の上には緑色の人間やピンク色の鳥、そしてカミナリといった敵がいるのですが、この配置と動きが絶妙で、何も考えずに突き進むとまずやられてしまいました。なんとか突破して電車の中に入り込んでも、火の玉のような敵をかわし切れずにやられてしまうことがしばしばで、ステージ2に行くだけでもかなりの苦労をしていました。

 そんな状況を一気に変化させたのが、当時大流行していた裏技でした。裏技にはバグを利用したものも多かったのですが、『チャレンジャー』には意図的に、無敵になる技が仕込まれていたのです。

 ステージ1のBGMは、しばらく待っていると電車の信号が「カンカン!」と4回鳴るのですが、この音に合わせてジャンプしたりナイフを投げたりすると、空中にまっとうくじら(注:マッコウクジラではありません)が現れ、これに触れると無敵が発動するようになっていたのです。

 この技はステージ1でのみ使用可能となっていましたが、あさいもとゆき先生の『ファミコンロッキー』では、あるファミコン技師により無敵モードが終わらない不正ソフトが作られ、ロッキーを窮地に陥れています。このときロッキーはステージ1の最後に現れるドン・ワルドラドにナイフを12発投げつけ、一気に最終ステージにワープして勝利したのですが、筆者はこれを真に受けて、連射機能付きのコントローラーを使ってなんとか再現できないかと挑戦していたのですが、残念ながら成功したことはありませんでした。『ファミコンロッキー』読者のなかにはおそらく同じように挑戦し、挫折した方も多いのではないでしょうか。

 しかし、こうして『チャレンジャー』のことを思い返すと、まず思い出すのはステージ1のBGMです。テンポが良く軽快で、これから主人公が冒険に乗り出すというエネルギーに満ちあふれています。もちろんステージ2以降のゲーム性もBGMも素晴らしい出来ではありますが、ステージ1のBGMは、『チャレンジャー』をプレイしていたときの記憶と完全に一体になっていて、忘れられそうにありません。

(早川清一朗)

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