マグミクス | manga * anime * game

3月26日『シティーハンター』冴羽リョウの誕生日 2021年で62歳?真実は不明

3月26日は、『シティーハンター』の主人公、冴羽リョウ(けものへんに尞)の誕生日です。幼少期に巻き込まれた事故により記憶と身元を示す全ての物を失ったため本当の誕生日は不明となっており、事情を知ったパートナーの槇村香が「あんたの誕生日を作ってあげる」と、ふたりが初めて出会った日を誕生日に決めました。

新宿駅東口の掲示板に「XYZ」

『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』  (C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会
『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』  (C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

 まだ駅に掲示板があった頃、「XYZ」と書き込んだ経験を持つ人もいるのではないでしょうか。筆者もそのうちのひとりです。『シティーハンター』の主人公、冴羽リョウ(けものへんに尞)と連絡を取るために、さまざまな事情を抱えた依頼人が新宿駅東口の掲示板に書き込んだ、「もう後がない」ことを示す3文字のアルファベットは、スリルあふれる新たなストーリーの始まりを知らせるサインとして、多くの方の心に強い印象を残しています。

 普段のリョウは「新宿の種馬」などとあだ名されるほどの女好きで、美女を見ればすぐに股間をもっこりさせて口説きにかかり、相棒の槇村香に100トンハンマーで吹っ飛ばされるのがお約束の軟派な男にすぎません。マンションの管理人と兼業で探偵を生業にしているものの、美女絡みか、心が震える依頼しか請けようとはしないため、いつも素寒貧(すかんぴん)で香に小言を言われるのも日常茶飯事。しかしひとたび依頼を請ければスイーパー(始末屋)としての顔を表に出し、愛用のコルト・パイソン357マグナムを片手に針の穴をも通すほどの銃の腕前で街に潜む闇と戦うハードボイルドなキャラクターへと早変わりするのです。1980年代を代表するカッコいい大人のキャラクターであると言っても、過言ではないでしょう。

 そんなリョウの誕生日は3月26日。原作では1959年生まれとされているので2021年で62歳の計算になりますが、正確なところは分かりません。本当の誕生日がいつなのか、リョウ本人すら知らないのです。

 リョウは子供の頃に南米の小国で飛行機事故に遭い、両親を亡くしています。このとき身分を示すものと両親に「リョウ」と呼ばれていたこと以外、記憶のほとんどを失ってしまい、本名も誕生日もすべて分からなくなってしまったという凄惨な過去を持っているのです。かろうじて生き延びたリョウは反政府ゲリラ部隊の村に拾われ、生き延びるために戦いの日々を送るようになります。

冴羽リョウに誕生日を作ってくれた、槇村香との絆

 日系人兵士・海原神から戦闘技術を叩き込まれたリョウは優秀な兵士となりますが、あるときエンジェル・ダストという筋力を飛躍的に強化する麻薬を投与されてしまい、生死の淵をさまよいます。かろうじて回復はしたもののゲリラ部隊は政府軍に敗れて解散、アメリカに渡り、スイーパー稼業に手を染めるようになりました。

 やがて、アメリカでの仕事でリスクを取りすぎたリョウは安全を確保するために日本に密入国、香の兄である元刑事、槇村秀幸と組んで仕事をするようになります。槇村の死後は香をパートナーとし多くの危険な仕事を共に潜り抜けて関係を深めていきますが、ある日、ふたりの関係に大きな衝撃を与える人物が来日したのです。

 その名はブラッディ・マリー。アメリカ時代にリョウのパートナーを務めていた男の娘で、彼女自身もスイーパーとして短期間リョウと組んでいたこともある人物でした。

 彼女の口からリョウの過去を聞かされた香は、何も知らされていない自分は信用されていないのではないかと落ち込みます。しかしリョウのライバルである海坊主の叱咤激励を受けて立ち直った香は、リョウの元へと向かうのです。

 香自身、家族の縁は薄い人物です。まだ赤ん坊のころに両親は離婚し、父親は犯罪者として警察に追われる最中に事故を起こして死亡。香はそのとき追跡を行っていた槇村の父親に引き取られ娘として育てられました。

 リョウと向き合った香は「両親のいない悲しみとか……誰もが持ってる幸せな誕生日がない悲しみとか……そういうことなら……あたしにも理解できる分かりあえる……」と語り、「あたしが あんたの誕生日を作ってあげるわ」と、3月26日をリョウの誕生日だと宣言したのです。

 なぜこの日が誕生日になったのか。香は語りませんでしたが、リョウは気付いていました。3月26日は、リョウと香が初めて出会った日だったのです。

 ふたりが出会った日が、始まりだった。
 ふたりともこの日を大事に覚えていた。
 ふたりの関係の強さ、気持ちのつながりを示す、最高のエピソードだったのでないでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

1 2