【シャーマンキング30周年への情熱(52)】ホロホロが気付いたシャーマンの本質と「弱肉強食」の意味
ガンダーラの登場とチョコラブへの復讐は対比構造だった?

さてその後、葉たちがいた廃ホテルを急襲したペヨーテたちですが、それに立ち向かったのが木刀の竜でした。しかしターバインの持霊・ジンによって窮地に立たされます。そして絶体絶命となり臨死体験をしているところに現れたのが、第三勢力・ガンダーラです。実にインパクトのある登場でした! 仏教絵画に描かれるような優雅な導入から、巨大な大仏がいきなりグランデファンタスマをぶん殴っていたわけですからね!
今回はまだ顔見せに過ぎませんが、彼らのインパクトは絶大です。姫と呼ばれた女性もそれを取り囲む者たちも、X-LAWSとは違いスピリチュアルな雰囲気を漂わせています。もともとシャーマンとはそういう存在ですが、これまで人間くさいキャラが大勢描かれてきたのでギャップを感じますね。
もちろんガンダーラは今後、重要な存在として葉たちに深く関わってきます。またバックボーンを紐解くと別の武井作品との関わりも見えてきますので、このあたりは追々取り上げていきたいと思います。
次にそこから場面が変わって描かれるのは、一転して重苦しい状況です。シャフト時代のチョコラブが仲間たちと行っていた犯罪のひとつ……クリスマスの夜にチョコラブが銃を向けた男性は、実はルドセブとセイラームの父親だったのです。セイラームがなぜ今のような娘になってしまったかといえば、帰りの遅い父親を探しに出て絶命した彼を発見してしまったからでした。この話の決着は次回以降に持ち越しとなりますが、これもまた避けては通れない出来事で、今後に続く重要な要素となります。
ところでここからは少し深読みになりますが……。そもそもの物語構成として、なぜガンダーラの登場とチョコラブへの復讐劇が並行して描かれているのでしょうか? 筆者が思うに、これは「死から生」に至る物語と「生から死」へ至る物語の対比ではないでしょうか?
アニメでは省略されていますが、原作では竜の怪我はガンダーラによって治療されたらしいことが描かれています。つまり竜は死にかけた状態から復活を遂げたのです。一方チョコラブは、ルドセブによってこれから殺されようとしています。作品の性質上「生と死」は根底に流れる要素です。避けては通れないふたつのエピソードを強く印象づけて描くには、こうした描き方が必要だったのではないか……そう思うのです。
ところで、12月8日からリリースされたスマホゲーム『SHAMAN KING ふんばりクロニクル』はもうプレイされましたか? 年末年始にオリジナルキャラも登場する「もうひとつの物語」を、存分に楽しみたいですね!
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)





