歴史を変えた、『宇宙刑事ギャバン』と戦隊の共演 東映コラボ作品が続々と開花
ファンから喝采された、宇宙刑事・大葉健二氏の一人三役

本作の魅力を語る時、往年のファンが必ずと言っていいほど口にするのが、一条寺烈/ギャバン役の大葉健二さんの年齢を感じさせないキレのある演技力でしょう。
TV放送当時、『ギャバン』がヒットした要因も大葉さんによるところが大きいものでした。それまでのヒーロー役者にはなかった、コミカルな演技と激しいアクションを同時にこなす実力。それは『バトルフィーバーJ』(1979年)の曙四郎/バトルケニア役、『電子戦隊デンジマン』(1980年)の青梅大五郎/デンジブルー役と、立て続けにレギュラーのヒーロー役を演じたことからも立証されています。
それゆえ、ひとりで戦隊メンバー全員と肩を並べることができる存在感ある役どころを演じることができたのでしょう。そして、27年ぶりだというのに当時と変わらぬ変身ヒーローを演じるというのも、並の役者ではできない偉業だったと思います。
一方のゴーカイジャー側のメンバーも、負けず劣らずの活躍で本作を盛り上げていました。特にキャプテン・マーベラスの少年時代にあったギャバンとの過去の出来事から来る現在の展開は、本作の見どころのひとつです。
この二大ヒーローを迎え撃つ敵役が、宇宙警察総裁ウィーバルに化けていた魔空監獄獄長アシュラーダで、演じるのは佐野史郎さんでした。スーパー戦隊シリーズでは本作が初出演となる佐野さんですが、ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーのシリーズに出演したことがあり、数少ない特撮4大シリーズ出演コンプリートを果たしています。
もう一体の敵であるギャバンブートレグも、ギャバンの能力をコピーしたロボット戦士で、声を発しないという設定と相まって強敵感を生み出していました。ちなみにブートレグとは「海賊版」という意味で、今作のコラボに相応しいネーミングだったと思います。
そして今回の見どころのひとつが、監獄にいた過去にスーパー戦隊と戦ったことのある悪役たちでした。放送当時の役者や声優の再結集は、メモリアル作品ならではのゴージャス感があります。比較的、それまでにも過去のヒーローの集結はありましたが、悪役たちの再集結はあまり例がありません。
また、本作での大葉さんは前述した3大ヒーローをひとり3役で演じていました。しかも、合成ではありますが3人が共演し、同時変身をするというシーンを最後に用意しています。往年のファンには懐かしい光景ですが、これは『宇宙刑事シャイダー』最終回「3人の宇宙刑事 ギャバン シャリバン シャイダー大集合!!」にあった3大宇宙刑事同時変身のパロディで、謎の天の声のセリフまで再現していました。
どうしても過去の作品とのコラボと言うものは「コレジャナイ感」があるものですが、本作はあまり違和感のない、ファンにとってまさに「夢の共演」が見られた傑作だったと思います。昨年公開された『テン・ゴーカイジャー』のように、これからも可能な限りヒーローのその後が見られるといいですね。
(加々美利治)