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劇場版『仮面ライダー』50周年 スタッフは「リストラ組」、初の映画化にみなぎる熱気

2号から新1号へのバトンタッチ

『仮面ライダー対ショッカー』の大ヒットを受けて、「仮面ライダー」の劇場版は次々と作られていく。画像は「仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」(東映)
『仮面ライダー対ショッカー』の大ヒットを受けて、「仮面ライダー」の劇場版は次々と作られていく。画像は「仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX」(東映)

 本作が公開された時期は、絶好のタイミングでもありました。ダブルライダーの活躍でTV版『仮面ライダー』が盛り上がっている頃で、また仮面ライダー1号/本郷猛を演じる藤岡弘(当時の表記)さんの主役復帰直前でした。

 このことから、その後の新1号編から登場する骨模様の入った戦闘員や、2階建てセットのショッカー基地がTV版に先駆けて登場しています。

 さらに、本郷の変身ポーズも初披露されているのですが、その掛け声がTVのような「ライダー変身!」でなく「変身!」になっているほか、変身後も新1号でなくファンから「桜島1号」と呼ばれるタイプでした。ちなみに撮影時に藤岡さんは無言で変身ポーズを取っており、掛け声はアフレコ時に挿入したそうです。

 そして、何よりも劇場のスクリーンという大画面でもっとも効果的だったのが、崖の上に居並ぶ再生怪人軍団の圧倒的な迫力でした。予告編でも使われていましたが、実際に映画館で子供たちの反応を見ていた平山亨プロデューサーの話では、この場面がもっとも子供の反応がよかったと語っています。

 しかし、監督の山田稔さんはこの場面で速めのパンを指示していて、評判を聞いた後に「それならもうちょっと尺を取ればよかった」と反省していました。その後、こういった再生怪人が並んで名乗りを上げるような場面に、時間を割くようになったのは言うまでもありません。

 本作では40体もの怪人が登場しますが、これがすべてダブルライダーと戦うわけではありません。しかし、流れるような展開の速さで見せ場が目白押しされており、そんなことを考える余裕もなく物語が進んでいきました。

 この怪人軍団のリーダー格が、劇場版オリジナル怪人のザンジオー。日本アルプスに棲む人喰いサンショウウオを改造した怪人で、ダブルライダーと死闘を繰り広げています。

 本作はクレジット上では仮面ライダー2号/一文字隼人役の佐々木剛さんが最初に登場していますが、物語的にはダブルライダーのW主演とも言うべき活躍で、この2週間後に始まるTV本編の「新1号編」の橋渡しともいえる作品になっていました。

 そして、この作品もまた好評だったため、次の夏の「東映まんがまつり」でも新作が製作されることが早々に決定します。しかも、そのタイトルも『仮面ライダー』がもっとも期待されていたことを示すように、「東映まんがまつり へんしん大会」とされました。

 本作は当時の子供たちにとって、2号から新1号にバトンタッチするという交代劇の象徴的作品として、心に残る名作だったのだと思います。

(加々美利治)

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