【シャーマンキング30周年への情熱(65)】「究極のかまってちゃん」と言われたハオの真意とは?
ホロホロと道蓮が受け入れた「想い」とは?

前回の記事で筆者は「本作はずっと想いを受け入れることの大切さを説いていた」と書きました。今回のホロホロは「自分を縛っていた後悔の念」を受け入れたと言えるでしょう。
ホロホロの本名・碓氷ホロケウは何度か劇中に登場していますが、彼がその名を嫌う理由は謎でした。第40話でハオは、神の名をもらったホロホロはその名に宿る言霊(ことだま)によって高い潜在能力を持っていると評価していますし、その片鱗はガンダーラ戦でも見せているのに謎は残ったまま……。今回その名前にダム子の死が紐付いていたとわかったことで、納得できましたね。そしてホロホロはその時よりも心が成長しており、カリムの愛ある挑発で全てを受け入れることができたと思えるのです。
次は道蓮です。突如新技「エレキBANG(バン)」を生み出した彼に何があったのか。筆者の解釈では、蓮は憎しみの連鎖を断ち切り「不迷(まよわず)」の誓いを実践する具体的な方法に思い至り、それを心に刻んだ(受け入れた)ことで大きく成長したのです。
「方法」とは「向けられた恨みを受け止めきれるほど強くなること」と「憎しみの想いから逃げずに悩みきること」です。蓮らしく真正面から向き合おうという結論です。ただ彼にもまだ未熟な面があり、それは「仲間と愛」の存在が忘れられている点です。
蓮はニクロム戦の前に葉の考えを代弁する形で、ハオを倒す唯一の手段は助けること、それがシャーマンファイトの真の意味だと言っています。これを素直に解釈すると「シャーマンキングを裸の王様にしないために、愛情で繋がった物申せる強い仲間が必要だ」「自分たちがそうなるべきだ」となり仲間の大切さを述べていると思われるのですが、ニクロム戦の後、蓮は自分に向けられた憎しみは全部ひとりで受け止めなければいけないと思っていて、葉に諭されます。蓮の生い立ちを考えれば無理もなく弱音を吐くだけでも十分な成長ですから、微笑ましい場面でもありますね。
なお蓮が成長した直接のきっかけは、アイアンメイデン・ジャンヌによる蘇生だったと筆者は考えています。ジャンヌ離脱の原因を作ったひとりとして彼女の想いを受け止めようとした際に、「誰かのために強くなる、勝つ」ことを強く意識したのではないでしょうか。
それでは今回はこの辺で。またよろしくお願いします!
(タシロハヤト)




