まだ覚えてる? ファミコン時代の「隠しコマンド」4選 ムフフな演出も…
ムフフな裏ワザも……

●隠しコマンドに救われたプレイヤーも多かった『魔界村』
シュ-ティングゲームばかりではなく、アクションゲームにも「隠しコマンド」は多数ありました。そのなかでも特にありがたかったのが、高い難易度でプレイヤーに立ちはだかった『魔界村』。強敵の呼び声も高い「レッドアリーマー」が、まだ序盤の1面中程に出てくるなど、その過酷さは全面にわたって広がっています。
1ステージをクリアするだけでもかなりの歯ごたえなのに、限られた残機でクリアするのは至難の業。そこで助けになったのが、タイトル画面で右を押したまま、AボタンもしくはBボタンを3回押してからスタートする「コンティニュー」です。ゲームオーバーになったステージから始められるので、そこまでやり直す苦労から開放されます。
また、日を置いて改めてプレイを続行したい場合は、「ステージセレクト」の裏技も便利です。タイトル画面で右を押したままBボタンを3回、そして上1回、Bボタン3回、左1回、Bボタン3回、下1回、Bボタン3回を押してスタートすると、全ステージを自由に選ぶことができます。当時はこうした機能も、隠しコマンド経由で使用するケースが目立っていました。
●『ファイアンルファンタジー』では、隠しコマンドのヒントを提示!
「隠しコマンド」の醍醐味は、RPGにも及んでいます。特に有名なのは『ファイナルファンタジー』のマップを見る機能でしょう。コマンドは、Bボタンとセレクトボタンの同時押し。非常にシンプルなので覚えやすく、しかもこのコマンドはゲーム内にヒントがありました。
魔女に仕えている動くホウキに話しかけると、不思議な呪文と前置きして「とくれせんたぼーび」と語りかけてきます。一見何のことか分かりませんが、逆から読めば一目瞭然。このように、コマンドの存在を作中で匂わせる作品もありました。
また、船に乗っている時に、Aボタンを押したままBボタンを55回押すと、15の数字を順番通りに並べるパズルが遊べます。こちらは、クリアするとちょっとだけギルがもらえる特典つき。主人公たちが旅立ったと時のビジュアルが見られるのも、嬉しいポイントでした。
●「入力しない」という意外なやり方で、ムフフなシーンと出会う!
有名な「隠しコマンド」を紹介してきましたが、最後に番外編として、逆に「入力しない」ことで成立する裏技をご紹介。「ドラゴンクエスト」シリーズで知られる堀井雄二氏が手がけた『北海道連続殺人 オホーツクに消ゆ』に、その意外な裏技が隠されていました。
とある事件を追いかけている最中に「めぐみ」という女性と知り合いますが、後に温泉の浴槽でバスタオル姿の彼女と再会。事件の手がかりになる聞き込みを行うなかで、「なにか とれ」から「めぐみの バスタオル」のコマンドを選ぶことができます。
そのコマンドを選択すると相棒の刑事に怒られるものの、当のめぐみは「わたしは かまわないんだけどなぁ……」とまんざらでもない様子。そんな2人に挟まれつつ、2分間ずっと動かなければ(=入力しなければ)、彼女が自らバスタオルを外します。わずか10秒ほどの出来事ですが、忘れ得ぬ鮮烈な一瞬です。
姿勢は少し変化して、斜め後ろから眺めるような角度になりますし、ファミコンのドット絵なのでリアルさからは大きくかけ離れていますが、この大胆な演出はまさに衝撃的な出来事でした。
複雑なコマンドを入力したり、時には何もせず見守ったり。ゲームの中に秘められた隠し要素を暴く手段は、実に多種多彩。だからこそ、未知の刺激と出会うべく、多くのゲーム少年がファミコンと向き合いました。パワーアップ、無敵、コンティニュー、そしてちょっとムフフ。どれも素晴らしいものです。
(臥待)