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常識ブッ壊して賛否…TVより先に最終回、劇場版『仮面ライダー龍騎』から20年

最終回を一足早く劇場版にした『仮面ライダー龍騎』。そのほかにも、それまでになかったアイディアを積極的に取り入れていきました。それから20年。その新しさは現在の定番となっていきます。

最終回が複数もあったのはナゼ?

『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』Blu-ray(東映ビデオ)
『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』Blu-ray(東映ビデオ)

 本日8月17日は、20年前の2002年に映画『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』が劇場公開された日です。そのキャッチコピーは「龍騎、衝撃の結末。最終回、先行映画化。」でした。

 本作は、この年にTV放映されていた平成仮面ライダーシリーズ第3弾『仮面ライダー龍騎』の劇場版です。『龍騎』は、それまで「正義の味方」として戦ってきた仮面ライダーが複数人登場し、正義ではなく己の目的のために他のライダーと戦い、最後のひとりになった者が望みをかなえる……という物語でした。

 それまでのライダーシリーズの常識をくつがえし、後のシリーズに大きな影響を与えた話題作と言っても過言ではありません。その人気も高く、関連商品の売り上げも好成績でした。

 その『龍騎』の最終回がTV放映中盤に映画として公開されるというのですから、話題にならないわけがありません。この最終回がTVに先駆けて公開される仕掛けは、当時のファンからさまざまな予想が成され、盛り上がっていきました。そのために早い段階で見たいという客層が増え、よいスタートダッシュが切れたそうです。結果、公開期間が延長される事態になりました。

 この「仕掛け」の部分ですが、現在まで続いたライダーシリーズから考えれば予想の付くオチでしたが、当時はまだ想像もできない斬新なアイディアだったと思います。というより、この劇場版や後の作品によって当たり前の展開となりましたが、この当時ではなかなか思いつかない物語でした。

 また、公開終了後も情報の露出が徹底的に制限されたことも特徴のひとつです。終盤の展開はもちろん、劇場版最大の敵となる「仮面ライダーリュウガ」の正体は、TV版最終回まで秘密にされていました。そのため劇場版の内容に触れる商品も、TV版最終回まで販売を止められています。

 そして、『龍騎』の最終回は劇場版とTV版だけではありませんでした。劇場版から一か月ほど後の2002年9月19日19時に放送されたテレビスペシャル『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』でも、別の結末が描かれています。しかもふたつの異なった結末でした。

 この特番では、視聴者の電話及びネットでの投票で結末を選ぶという仕掛けが成されていたのです。その二択とは「戦いをやめる」と「戦いを続ける」でした。視聴者投票では「戦いを続ける」が選ばれ、その内容に沿ったエンディングが放送されます。

 ちなみに、この特番は『龍騎』で唯一、13人のミラーワールドに関わる仮面ライダーが全員集合した作品でした。そして、選択されなかった「戦いをやめる」の方のエンディングは後に発売されたソフトに収録されています。

 このように最終回が4つもある『龍騎』の物語。それには理由がありました。

※以降は最終回を含む『龍騎』のネタバレがあります。ご注意ください。

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