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劇場版『カウボーイビバップ』BS12で放映 海外での人気に重なる、松田優作の「夢」

渡辺信一郎監督の『カウボーイビバップ』は、海外でも人気が高いハードボイルドタッチのSFアニメです。劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』では、賞金稼ぎのスパイクたちは火星で起きたバイオテロ事件の真相を追うことになります。アクション、音楽、キャラクター造形など、『カウボーイビバップ』の魅力を探ります。

コメディタッチの、SFハードボイルド

『カウボーイビバップ 天国の扉』で描かれるスパイク(右)。火力大でタバコを吸う姿は、松田優作に似ている? (C)サンライズ・ボンズ・バンダイビジュアル (C)サンライズ・ボンズ・バンダイビジュアル
『カウボーイビバップ 天国の扉』で描かれるスパイク(右)。火力大でタバコを吸う姿は、松田優作に似ている? (C)サンライズ・ボンズ・バンダイビジュアル (C)サンライズ・ボンズ・バンダイビジュアル

 めっちゃ強くて、クールだけど、お金がないのが玉に瑕(きず)。そんな主人公が活躍するSFハードボイルドといえば、サンライズ制作のアニメ『カウボーイビバップ』です。1998年にTVシリーズ全26話が制作され、2001年には劇場版『カウボーイビバップ 天国の扉』が公開されています。

 2022年11月20日(日)のBS12では、19時から「日曜アニメ劇場」にて『カウボーイビバップ 天国の扉』が放映されます。TVシリーズに続いて、渡辺信一郎監督と脚本家の信本敬子さんがタッグを組み、音楽は菅野よう子さんが担当しています。

 2021年には米国で実写ドラマ版『カウボーイビバップ』がつくられ、Netflixにて現在も配信中です。日本だけでなく、海外でも人気のある『カウボーイビバップ』の魅力を探ります。

スパイク、ジェットらおなじみの顔ぶれが集結

 火星をはじめ、太陽系の惑星へ人類が移住するようになった未来社会が舞台です。主人公のスパイク(CV:山寺宏一)は、「カウボーイ」と呼ばれる賞金稼ぎとして暮らしています。『天国の扉』では火星で大規模なバイオテロ事件が起き、犠牲者が続出します。スパイクは相棒のジェット(CV:石塚運昇)、女賞金稼ぎのフェイ(CV:林原めぐみ)らと、高額賞金の懸かったテロ犯を追いかけます。TVシリーズの第23話「ブレイン・スクラッチ」の前に起きた事件という設定です。

 TVシリーズでもお馴染み、ハッカー少女のエド(CV:多田葵)、高い知能を持つデータ犬のアインもスパイクたちの欠かせない仲間です。組織化されたチームではない、彼らのゆるい関係性も、『カウボーイビバップ』の人気の要因でしょう。

 スパイクとフェイが入手した情報をもとに、テロ事件の犯人は火星軍特殊部隊に所属していたヴィンセントだと分かります。ヴィンセントはある人体実験を生き延び、不死身の肉体となっていました。お気楽さが身の上のスパイクですが、今回の標的はかなりヤバい相手です。

 劇場版のヒロインとなるエレクトラとスパイクとのあいさつ代わりの格闘シーンが、物語前半に小気味よく描かれます。さらにはモノレール内でスパイクがヴィンセントと対決するなど、実写では撮影が難しいアクションシーンは見応えがあります。スパイクが愛機「ソードフィッシュII」を駆るスカイアクションも、物語後半には用意されています。

 バイオテロ事件の背後には大手製薬会社や軍部が関係していることに、スパイクたちは気づきます。TVシリーズの1話25分では描けなかった、スケールの大きなポリティカルアクションものとして物語は進んでいきます。

【画像】似てるところ多い? 『天国の扉』のスパイクと松田優作(9枚)

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