昭和世代が愕然! 若者には伝わらないアニメ描写 「ぶら下げた寿司」を見た人はいるのか?
近年は『うる星やつら』や『シティーハンター』など、昭和時代に人気のあった作品のリバイバルが増えています。しかし、昭和が終わってからすでに40年近くが経過しているため、当時の描写をそのまま使うと、もはや意味が通じないシーンも存在しています。昔懐かしく、今の若い人にはおそらく通じない描写を3つ、紹介します。
電話をかける時は「ジ~コ ジ~コ」

近年、『うる星やつら』など昭和時代の作品の再アニメ化が増えていますが、昭和の作品では当たり前だったアニメ描写も、今の若い人にはおそらく通じない可能性が……。当時アニメを見ていた人なら思い当たる描写を3つ紹介します。
●ダイヤル式電話
昭和時代を代表する描写と言えば、ダイヤル式電話は外せないでしょう。現代のようにスマホをひとり1持つのが当たり前の時代に生まれた方には、もはや想像もつかないと思います。家庭用固定電話の普及率は1955年(昭和30年)の時点で1%、1972年(昭和47年)でようやく約30%に達し、固定電話が一家に一台になるまで普及したのは1980年代でした。
家庭で使用されていた電話機は、本体と受話器が黒く、真ん中に大きなダイヤルがついた通称「黒電話」と呼ばれるものでした。駅や旅館などには大きめの「ピンク電話」が置かれ、公園などには周囲をガラスで囲まれた「電話ボックス」がありました。多くの人が同じ電話機を共有するのが当たり前の時代があったのです。
当然、アニメやマンガにも黒電話やピンクの電話が登場しており、しばしば作品のストーリー展開を左右するギミックとして使われていました。TVアニメ『めぞん一刻』の第13話 「モテモテ五代くん? 桃色電話にご用心!」ではタイトルにも使われるほど、電話がストーリー上で重要な役割を果たします。
主人公の五代裕作たちが住む「一刻館」では、住人あての電話は管理人室にかかってきたものを取り次いでもらう形となっていました。しかし13話では人形劇部に入部した五代君のもとに、部長の黒木小夜子を始めとする女性部員から次々と電話がかかってきたため、管理人・音無響子さんがキレ始めてしまいます。人形部の用事だからと弁明しようとした五代君でしたが、そこに七尾こずえから電話がかかってきてしまい、完全に弁明不能に。
別につき合っているわけでもないのに露骨に怒りと動揺を見せた響子さんは、五代君と感情をぶつけ合いながらも最終的には仲直りし、一刻館には共用のピンクの電話が新たに設置されたのでした。現代ではまず成立しないストーリーでしょう。
また、『シティーハンター』の主人公・冴羽リョウは「ダイヤルが戻る音を聞いて電話番号を特定する」特技を持っていましたが、これもやはり今では使えません。連載当時の時点で(ボタン式の)「プッシュホンだったらどうするの?」と心配されており、電話の世代が変化していく時代をとらえた貴重な描写となっています。