昭和ライダー世代愕然…前代未聞のラスト迎えた『仮面ライダー龍騎』最終回から20年
それまでの仮面ライダーシリーズの常識をことごとく壊した『仮面ライダー龍騎』。そのTVシリーズ最終回も前代未聞の展開から始まった異色のストーリーでした。放送から20年を迎えた最終回を振り返ってみましょう。
平成ライダーの新しい常識を生み出した『龍騎』

本日1月19日は2003年にTV特撮作品『仮面ライダー龍騎』最終回が放送された日。今年で20年になります。仮面ライダー史上なかった前代未聞の展開に、誰もがおどろいた最終回でした。そのエピソードについて振り返ってみましょう。
『龍騎』はそれまでの仮面ライダーシリーズの常識をことごとく塗り替えた作品でした。まず、そのデザイン。仮面ライダーはほとんどが昆虫モチーフの大きな目が特徴的でしたが、『龍騎』では西洋の甲冑をベースに昆虫以外の動物や幻獣をモチーフに加えています。このデザインの革命により、後の仮面ライダーがより自由な発想で生まれる余地を与えました。
前作『仮面ライダーアギト』は、当初から3人の仮面ライダーを登場させるという多人数ライダーでしたが、『龍騎』ではそれをはるかに上回る13人の仮面ライダーが登場します。
さらに13人全員がカードデッキとベルトで変身するという共通項を持つ点も、後のシリーズに先駆けていました。誰もが仮面ライダーになることができる世界。その最初の作品となりました。
この誰もが仮面ライダーになれるというのも大きなポイントです。なぜならこれまで仮面ライダーになれたのは基本的に正しい心を持つ者でした。ところが『龍騎』では、自らの欲望に従って戦う悪人も仮面ライダーになれます。
これによって悪の仮面ライダーという存在が生まれ、主人公の仮面ライダーと戦うことになりました。その結果、ライダーバトルという仮面ライダー同士の戦いが、以降のシリーズでは当たり前となります。
こういった昭和の頃にはあり得なかった展開が、平成のスタンダードになったのは『龍騎』以降でしょう。それほど『龍騎』の果たした役割は大きく、20年経過した現在でも衰えぬ人気から後発作品にゲスト出演するほどです。
特に複数の仮面ライダーが戦うという点は大きな見どころで、最終回に至るまで多くの仮面ライダーが脱落していきました。そして、生き残った仮面ライダーが決着をつけるというクライマックスに向けて、ラストエピソードへカウントダウンが始まります。
ここでようやくいくつかの謎と思われる部分が明かされるのですが、実は放映中はそこで盛り上がる人はあまりいませんでした。それはTVに先駆けて公開された夏の劇場版『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』で明かされていたからです。
この劇場版で『龍騎』の世界は何度も繰り返されたことが示唆されており、同様の展開でTVスペシャル『仮面ライダー龍騎スペシャル 13RIDERS』も放送されていました。つまりTVシリーズの『龍騎』最終回も辿(たど)る過程は違っていても、結果はほぼ同じだろうと想像できたわけです。
そのうえで、どういった結末でTVシリーズを締めくくるのかが注目でした。ところが、『龍騎』はそう簡単に一筋縄で終わる作品ではなかったのです。前代未聞の出来事が最終回一本前の第49話で起こりました。
※これ以降は『仮面ライダー龍騎』最終回近辺についてのネタバレ記述があります。閲覧にはご注意ください。