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名作RPG『ウィザードリィ』 少年たちを冒険へ駆り立てた、世界観とメディアの力

プレイヤーを熱中させた連載小説『隣り合わせの灰と青春』

「ファミコン必勝本」に連載されたウィザードリィ小説『隣り合わせの灰と青春』の単行本(画像:筆者提供)
「ファミコン必勝本」に連載されたウィザードリィ小説『隣り合わせの灰と青春』の単行本(画像:筆者提供)

『Wiz』を積極的に取り上げていたその雑誌の名前は、「ファミコン必勝本」(以下、必本)。当時発行されていた多くのファミコン雑誌のひとつです。なぜか他誌では扱いが弱かった『Wiz』を毎回のように特集しており、貴重な情報源となっていました。

 さらには、ゲーム小説の名作として名高い、ベニー松山氏による『隣り合わせの灰と青春』の連載も始まり、「必本」は『Wiz』の魅力に憑りつかれた筆者の生活必需品となりました。

 ダンジョン1Fの「マーフィーズゴースト」でレベルを上げ、4Fにエレベーターで乗り込み、「ブルーリボン」をゲットして9Fのピットから最終階層10Fへと乗り込む。この攻略法を知ってからは、その先が筆者の主戦場となりました。ボスのワードナ撃破? いえいえ、ワードナを倒し魔除けを6人分隠匿してから、「レアアイテム集め」という本当のスタートが切られたのです。

 筆者は「むらまさ」「せいなるよろい」「しゅりけん」、この3つのレアアイテムを探し求めながら、必死になって「ぎんのこて」を集めました。「どうのこて」よりもAC(アーマークラス;数値が低いほど相手の攻撃成功率が下がる)を2下げられるこのアイテムは、少しでもキャラクターを強化したい筆者にとって必須のアイテムに思えたのです。

 なお、ファミコン版『Wiz』のACは、バグによって何の効果もないと知ったのはつい先日のことです。

「俺の時間と情熱を返して!」

と叫んでも何も帰ってこないのが、悲しいところです。

 さてその後も『ウィザードリィ』シリーズは続々と発売され、多くのファンを獲得していきました。『Wiz』の想像力をかき立てられる世界観は多くのクリエイターたちに刺激を与え、多くの作品が生み出されています。近年筆者が読んだ作品の中では、マンガ『ダンジョン飯』(著:九井諒子)や小説『ゴブリンスレイヤー外伝2鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》』(著:蝸牛くも)などがWizの世界観を色濃く受け継いでいるように思えます。

 それにしても、石垣環先生のマンガ版『ウィザードリィ』、電子化されませんかねえ……。外伝のエピローグ的なエピソードが1話だけ単行本化されていないので、ぜひまた読んでみたいものです。

(ライター 早川清一朗)

【画像】『ウィザードリィ』の正統続編と2010年代に登場した「オンライン」(5枚)

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