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放送中の『SHAMAN KING FLOWERS』 複雑な背景をもつ主人公・麻倉花をひもとく【シャーマンキング30周年への情熱(78)】

強いコンプレックスに悩む主人公

前作主人公・麻倉葉の一人息子、麻倉花。外見はどことなく似ているが性格は……? (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING FLOWERS Project.
前作主人公・麻倉葉の一人息子、麻倉花。外見はどことなく似ているが性格は……? (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING FLOWERS Project.

 麻倉花は、強いコンプレックスを抱いています。特に父親への反抗心が強く、それにはシャーマンファイトの存在が関係しています。一介のシャーマンに過ぎなかった麻倉葉は、14年前のシャーマンファイトで伝説の存在と言われるまでになるほど魂を成長させましたが、そのシャーマンファイトも次は500年後。どれだけ修行を積んでも超えられない壁である「父親」に対する反発が強く、そのやりきれない思いを普通の人間相手のケンカで発散しているように見えます。

 ですから、初めてのシャーマンの敵・麻倉葉羽(ヨハネ)の出現は、彼にとって待ち焦がれた相手なのです。そしてその戦いは1回で終わるものではなく、血統の生き残りを賭けた因縁の勝負、一族を巻き込んだ壮大な争いの幕開け……となれば戦いは当面続くと思われ、これで花の心も満たされそうなものですが、そうとも言えないと筆者は考えています。

 アニメ2話で花は葉羽のことをバカにしつつも自分と重ねて見ていました。そして葉羽の姉である路菓(ルカ)に襲われたとき、花は真剣な目でこう言っています。

「おめーら麻倉の本家になったところで何かあんの? オレから見たらただ闇雲にやらされてるみてーでよー、それじゃ葉羽がカワイソーだろうーが」。

 花には、ふたりが親とか先祖とか血とか、そういうものに縛られているだけで、自分の目的のために自分の意思で戦っているようには見えなかったということだと思います。見方を変えると、花は戦いには相応の意味が必要だと考えていることになるでしょう。だから自分とどこか重なる葉羽がそうではなさそうで、可哀想だと思ったわけです。

 しかしこれは完全にブーメランですよね? 花自身が、今はやっとシャーマン同士で戦えるということに血が騒いでいてその先のことに気が向いていませんし、自分がそうであることにも気付いていないようです。これではいくら戦いを重ねても満たされることはないだろうと、筆者は思うのです。

 でも、遠くない時期にそれを問われる時がくるはずです。オープニング、エンディングを見ていれば、多くの敵味方が集まりシャーマン同士の戦いが繰り広げられる展開になることが予想できます。さらに、ハオとフラ・ヤービスの対立にからんだ戦いになることはほぼ確実なので、彼らが全員戦いそのものを目的としているわけがありません。その時、花はいつ、どうやって、何に戦う意味を見出すのか……これから先、しっかり注目していきたいポイントです。

 それでは今回はこの辺で!
 次回もよろしくお願いします!

(タシロハヤト)

【画像】「えっ…? 気になる」 これが『シャーマンキング』続編アニメ冒頭につながる原作のシーンです(6枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k

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