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『シン・ウルトラマン』と『エヴァ』まるごと楽しむ基礎知識。三部作はどこに向かう?

半世紀におよぶ、ウルトラマンの謎

 カラータイマー、眼の覗き穴、背中のファスナーが消えたことで、ファンの脳裏によぎるのは、あの問題です。そうです、「ウルトラマンのシルバー&レッドの外見はスーツを着た姿なのか、それとも素肌なのか」という問題です。世に言う「ウルトラマン着衣問題」です。もしスーツなら、中には別の姿の宇宙人が入っているのか。素肌ならば、ウルトラマンはいつも素っ裸で怪獣や凶悪宇宙人たちと戦っていたのか。そんな素朴な疑問がファンの間にはありました。

 この「ウルトラマン着衣問題」には、まだ明快な答えは出されていません。2010年に発行された『空想科学読本9』(メディアファクトリー)の「ウルトラマンは裸か?」の項で、著者の柳田理科雄氏は「ウルトラの人たちは、体の赤い部分が服で、銀色の部分が地肌なのではないか?」という自説を述べています。

 それによると、ウルトラマンの腰の赤い部分はパンツということになるようです。パンツ一丁に近い裸で、宇宙を守っているそうです。ですが、これは柳田氏の推測であり、正解とは言い難いものです。

かつてウルトラマンを演じた男

 これは個人的な見解なのですが、ウルトラマンやゾフィーたちが暮らす「光の国」は地球人類よりも遥かに科学が進歩しており、生命体としても究極(ウルトラ)に進化した人間(マン)なので、地球人類のような衣服や裸といった概念を超越した文明を持っているのではないでしょうか。

 記念すべき『ウルトラマン』の第1話「ウルトラ作戦第1号」では、事故で亡くなった科学特捜隊のハヤタ隊員(黒部進)のためにウルトラマンは自分の命を与えることで一心同体となり、宇宙怪獣ベムラーを倒すことになります。とてもスピリチュアルな存在として、ウルトラマンは登場していたわけです。幽霊が裸では現れないように、ウルトラマンが裸かどうかは、私たち人間の意識の問題なのかもしれません。

 その点を、『シン・ウルトラマン』の脚本を手掛ける庵野氏がどのように意味づけているのかも気になるところです。1960年生まれの庵野氏は短編映画『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』(1983年)を自主制作し、みずからウルトラマンを演じていただけに、大変なこだわりがあるはずです。ディテールもしっかり考証した『シン・ウルトラマン』が誕生するに違いありません。

【画像】どんな活躍を見せるのか? 明らかになった『シン・ウルトラマン』のビジュアル(8枚)

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