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野村克也氏を偲ぶ マンガ『野球狂の詩』女性プロ野球選手・水原勇気誕生エピソード

劇場版『野球狂の詩』 野村克也氏自身も出演

『野球狂の詩 HDリマスター版』DVD(Happinet(SB)(D))
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『野球狂の詩』はもともと「週刊少年マガジン」の不定期連載作品で、さまざまなキャラクターが主人公を務める短期連載集でしたが、1976年に週間連載化された際に水原勇気が登場し、大きな話題となりました。公式の場面ではありませんが野村氏も作中に登場して水原勇気の初めての対戦相手となり、打ち取られています。

 1977年にはTVアニメ化もされ、堀江美都子さんが歌うED『勇気のテーマ』(作詞:水島新司 作曲:渡辺宙明)はドリームボール投球時にも使われて強烈な印象を残しています。

 水原勇気の人気はとどまるところを知らず、ついに実写劇場版が作られ、野村氏ご自身も出演することとなったのです。

 映画での野村氏は、オープン戦に登板した水原勇気を「女の球を打っても自慢にならない」と笑っていましたが、直接対決で打ち取られてしまい、彼女を見直す役どころでした。

 原作者の水島氏と仲が良かったという理由もあるのでしょうが、現役の偉大なバッターが映画に出てきて女性に打ち取られるカッコ悪い役を演じるのは、相当な勇気と覚悟が必要ではないかと筆者は感じています。当時のプロ野球でパ・リーグの人気は低迷を極めており、少しでも人気を高めるために露出を増やそうとしていたのかもしれません。常にプロ野球界の発展を考えていた野村氏ならば、そう考えていてもおかしくはないでしょう。

 その後、水原勇気はいったん引退してしまいますが、ドリームボールはかつてのチームメイト、国立玉一郎の娘である珠美に受け継がれました。世代交代を終えてこのまま水原勇気は消えるのかと思いきや、珠美のドリームボールが打倒されたのをきっかけに、40歳過ぎで投手コーチ兼選手として復帰を果たします。もちろんドリームボールも健在で、10連続セーブを挙げるなど、若いころよりも派手な活躍を見せてくれました。野村氏のヒントから生み出されたドリームボールと水原勇気は、誕生から40年を超えた今でも女性プロ野球選手の代名詞として語り継がれています。

 当時、子供向けの作品ととらえられていたマンガに、蓄えられた膨大な知識と経験を惜しみなく与えてくれた偉大な人物である野村氏の逝去が本当に残念でなりません。

 もっとお話を伺いたかった。亡くなったのが本当に残念な方でした。

(早川清一朗)

【画像】野村克也氏が影響を与えた『野球狂の詩』水原勇気の姿(6枚)

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