『バンゲリングベイ』ウソ技の記憶を被害者が語る 「コントローラーを投げたい」
1985年2月22日に発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『バンゲリングベイ』は、「コロコロコミック」の特集やマンガ『ファミコンロッキー』に登場した「最終兵器」などが話題となり、子供たち注目の作品となりました。しかし実際のゲーム性はマニア向けで、多くの子供たちが投げ出す羽目に。
興味をかきたてた「コロコロコミック」の特集
1985年2月22日にハドソンから発売されたファミリーコンピュータ用ソフト『バンゲリングベイ』は、「コロコロコミック」の特集やマンガ『ファミコンロッキー』に登場した「最終兵器」などが話題となり、子供たち注目の作品となりました。しかし実際のゲーム性はマニア向けで、多くの子供たちが投げ出す羽目に。友達の家で遊ばせてもらい買わずに済んだライターの早川清一朗さんが、当時の記憶を語ります。
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当時の少年の愛読書と言えば、「コロコロコミック」でした。なにせマンガだけではなく、ファミコンの特集記事もたくさん載っていたからです。月刊誌だったので、週刊誌に比べれば親にねだるのも楽でした。
ちょうど1984年の年末から1985年の頭にかけての時期でしょうか。「コロコロコミック」のファミコン特集で、『バンゲリングベイ』というゲームが扱われるようになりました。ジャンルはシューティングゲームで、『ヘリコプター版ゼビウス』との触れ込みだったのを覚えています。
『ゼビウス』とはシューティングゲーム黎明期に一世を風靡したアーケードの縦スクロールシューティングゲームで、ファミコンにも移植され、やはり大人気となりました。
筆者も『ゼビウス』をかなり遊んでおりその面白さはよく分かっていたので、当然『バンゲリングベイ』にも強い興味を持ちました。とはいえファミコンのカセットは高級品なので、そう簡単には買えません。それにこの時期は『バルーンファイト』や『アイスクライマー』などファミコン初期の傑作が発売されたばかりで、友だちとの対戦や協力プレイに夢中だったため、『バンゲリングベイ』は見送ることになりました。
ところがある日、「コロコロコミック」に連載されていたファミコンマンガ『ファミコンロッキー』(箸:あさいもとゆき)に、『バンゲリングベイ』が登場します。その内容はバンゲリング帝国の南にあるバミューダトライアングルから最終兵器が現れるというものでした。
帝国!? バミューダトライアングル!? 最終兵器!? 少年の心をくすぐる要素満載のこのマンガに、筆者は色めきたちました。現代では簡単に情報を検証できますが、当時その情報が本当なのか試す方法はひとつしかありません。そう、実際にプレイするしかないのです。
そこで筆者は『バンゲリングベイ』を持っている同級生を探し出し、彼の家にお邪魔することにしたのです。