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アニメ、コロナの影響は製作だけでなく「宣伝」も 困難の先にある未来を予測する【この業界の片隅で】

コロナ禍で損なわれた宣伝ノウハウ

コロナ禍で握手会などの接触イベントは中止に
コロナ禍で握手会などの接触イベントは中止に

 身も蓋もない言い方をしてしまいますと、より多くの人が飛びつくのは、その時に流行しているものです。何をもって流行っていると判断するのか? シンプルに、目にしたり耳にしたりする機会の多さでしょう。だから宣伝には、物量や継続性=接触機会の多さが、ある程度は必要になってくるのです。とある有名コンテンツの関係者には、「作品の勝敗を左右するのは広告量です」と断言している方さえいます。いち早く流行に乗って、それを誰より深く極めて自慢したいというのは、普遍的なオタク心理でしょう。

 ブランディングも重要です。ひと頃の有力なアニメ番組で、全国紙に全面(全15段1ページ)広告を掲載するという手法が取られていたことがあります。実はあの全面広告、目安の料金はネットで調べられるのですが、目の玉が飛び出るほど高額なのです。それでも行われていたのは、全国紙にこれだけ大きく載っているのだから、とてつもなく凄い作品に違いないと感じさせられるからです。本当に凄いかどうか自分で確かめてやろうと思うのも、オタク心理としてはありそうです。「オタク」という言葉が引きこもりを連想させるせいか、いまだに誤解されている向きがありますが、イノベーターやアーリーアダプターとなる彼らは、本来極めてアクティブな層です。

 そのアクティブなオタクが、最も熱を入れるのが、ライブやお渡し会や舞台挨拶付き先行試写会といった、リアルイベントでしょう。イベントに参加したオタクたちは、「推し」が目の前に降臨した熱狂を、ネットを通して共有し、現場でグッズを購入し、信者となって布教に務めてくれます。客観的に見た完成度に首をひねらざるを得ない部分があっても、イベント参加者の間では大いに点が甘くなる傾向もあります。悪口を言っているのではありません。「モノ消費からコト消費へ」のような言い方を、耳にされたことはないでしょうか? 企業がオタクに「好き」を与えるのではなく、オタク自身の「好き」が企業を巻き込み動かしていく、そんな時代になっていたのです。

 ここまで書くと、自粛で宣伝の何が損なわれたか、お分かりになっていただけるかと思います。街にどれだけ広告を出しても、肝心の人が歩いていなければ無意味です。かつてのようなリアルイベントも、当面は実施が難しいでしょう。そんな状況でブランディングに努めても、どれだけ効果があるでしょうか。

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