「昭和ライダー」鮮烈な死! 現代では考えられない悲劇的な最期を迎えた味方キャラ
「仮面ライダー」シリーズといえば、子供番組ながら味方レギュラーキャラでも非業の死を迎えることがあります。これは現在だけではなく、昭和の時代からありました。その悲しい最期は現在よりも鮮烈かもしれません。
番組の癒し役が迎えた突然の死

本日3月1日は、1975年に『仮面ライダーアマゾン』第20話「モグラ獣人 最後の活躍!!」が放映された日です。今年2025年で半世紀の時が経ちました。現在でも話題になることの多いエピソードのひとつです。
この第20話はタイトルの通り、「仮面ライダーアマゾン」こと「アマゾン(本名は山本大介)」の味方側レギュラーとして活躍していた「モグラ獣人」の最期を描いたエピソードでした。
モグラ獣人はもともと敵組織「ゲドン」の怪人のひとりで、処刑されそうになったところをアマゾンに救われ、以降は味方として立ち回るようになります。戦闘面ではたいして役に立ちませんが、サポートキャラとしてたびたび活躍を見せていました。
元敵怪人でありながら、作品の中ではムードメーカー的存在でもあります。殺伐とした戦闘シーンの多い本作にとって、コメディリリーフとしてモグラ獣人の存在が癒しと感じる人も少なくないでしょう。そのようなモグラ獣人だからこそ、その死は大きな衝撃でした。
筆者としてはモグラ獣人が「仮面ライダー」シリーズの味方側キャラ最初の死亡者というイメージがあります。もちろん正式には前作『仮面ライダーX』の「水城涼子」と「水城霧子」の姉妹がいました。
しかしながら敵か味方か不明だった水城姉妹と違って、モグラ獣人は明らかな味方キャラです。つまり立ち位置を踏まえると、その死はより大きなものだったといえるでしょう。そういったことからも当時の子供にはもちろん、大人になった現在に視聴しても心が揺さぶられるものがあります。
ちなみに『仮面ライダーV3』には、第2話で「仮面ライダー1号」と「仮面ライダー2号」が、第51話で「ライダーマン」が、死亡したかのような描写がありました。しかし、明確に亡骸が出たわけでもなく、当時の子供たちにはヒーローが本当に死ぬわけがないという安心感があったものです。
ところがモグラ獣人は「勇気の士(ひと)モグラ獣人の墓」というプレートのついた墓標まで作られ、その死を確実なものとして見せていました。「裏切り者には死を」というのが悪の組織の定番ですが、モグラ獣人の場合は所属していたゲドンが滅んだ後だっただけに、今さら感がぬぐい切れません。
もっとも、味方側キャラクターが死亡するという展開は、昭和に制作された「仮面ライダー」シリーズではほかにもありました。特に印象的だったふたつの例を挙げましょう。