全国で消えつつある「白ポスト」の役割とは? 需要がなくなったとは言えないワケ
現在は激減する「白ポスト」 だが需要が消えたとはいえない?

白ポストは、小さな子供を持つ親にとって頼もしい存在でしたが、1990年代あたりから全国的に設置数が減り、さらにここ10年ほどは急速に撤去や閉鎖が進んでいるそうです。
最大の理由は、利用者の減少です。長崎県は白ポストの設置数が84台(2024年11月時点)と全国最多ですが、現在、何台かはポストを封鎖しています。長崎市では、2009年には年間約2万点の有害図書やDVDなどを回収しましたが、年々減少して2023年には約9000点にまで減りました。
この傾向は全国的にも同様で、利用者の減少に加え、ポストにゴミを入れられるなどマナーの悪さや、ポスト自体の老朽化も重なって、撤去や閉鎖という流れが目立つそうです。
いちばんの理由である「利用者の減少」については、2010年代に入って、コンビニ各社が「有害図書」とされる雑誌などの販売を停止したこと、さらに書籍のデジタル化が普及して、マンガ、雑誌など印刷物の売上が減少したことが大きいようです。
つまり、「有害図書やDVDなどが子供たちの目に触れない世の中になってきた」とも受け取れるので、60年以上続く白ポストはそろそろお役御免なのかもしれません。
一方、近年でも白ポストを新調して管理を続ける自治体もあります。福井市では、2018年に田原駅で白ポストを新設しています。白ポストがなくなると不安な親、そして困る利用者もいるはずで、必要とあらば残すのも大人の役目でしょう。
親たちの懸念は、現在では有害図書から「ネット」に移行しています。ネットの画面には「有害」な情報が向こうから飛び込んでくるので、白ポストのように大人が片付ければ済むというわけではなく、タチが悪いです。冒頭で紹介した「性的表現が描かれたコミック広告の配信停止」のニュースについては、SNSなどで賛同の声が多くありました。子供たちが意図せずにそうしたコンテンツに触れてしまうことへの懸念がずっと以前からあったのです。
街の白ポストが役目を終えつつあるとしても、ネット上では白ポスト的なシステムへの需要が今なおあるのではないでしょうか。
(石原久稔)


