最終回が印象深い、アニメ版『デビルマン』 OP・EDはアニソン屈指の名曲
1972年7月8日、TVアニメ『デビルマン』の放送が開始されました。「誰も知らない 知られちゃいけない」という歌詞のオープニングテーマ『デビルマンの歌』は、強烈な印象を残しました。エンディング曲も、絵と歌詞、曲が調和して作品世界を体現した、70年代アニメソングのなかでも屈指の傑作です。
誰も知らない 知られちゃいけない
1972年7月8日は、TVアニメ『デビルマン』の放送が開始された日です。当時の若者に絶大な影響を与えたマンガ版とほぼ同時に放送されていたためストーリーは辻真先氏が担当し、アニメはマンガ版とは異なる展開ながらもヒット作となって繰り返し再放送されました。子供の頃に再放送で『デビルマン』を知り、成長してからマンガ版を読んで大きな衝撃を受けた、ライターの早川清一朗さんが当時を回想します。
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マンガ版『デビルマン』は筆者が生まれる前に連載されていたため、当時の空気は分かりません。しかしながら少し年上の方と話をすると、『デビルマン』という単語に強烈な反応が返ってくることも多く、当時どれだけ強い影響力を持っていた作品だったのかを、たびたび思い知らされてきました。
それよりも、筆者にとってはTVアニメ版『デビルマン』の方が、より親しんできた存在です。本放送こそ連載とほぼ同時期ですが、筆者が物心ついたころには繰り返し再放送されており、何度も見返した記憶があります。小さい頃は敵のデーモン族がちょっと怖かったので、母や姉の陰に隠れるようにして見ていた、思い出深い作品です。
TVアニメ版の『デビルマン』はマンガ版と比較するとヒーロー指向の作品となっており、主人公の不動明(以下、明)は「デービール!」の掛け声と共にデビルマンに変身します。必殺のデビルビームで毎話登場するデーモン族の刺客たちを返り討ちにするデビルマンの姿は、当時子供だった筆者の目には、とても頼もしい存在に映っていました。
そしてデビルマンと言えば、オープニングとエンディングを外して語ることはできません。オープニングテーマ『デビルマンの歌』はデビルマンがデーモン族の裏切り者でありながらも、人のためにさまざまな力を駆使して戦っていることを表現しています。 エンディングテーマ『今日もどこかでデビルマン』は、ビルの骨組みに座り込み腕組みをしている姿が、デビルマンの孤独を見事に示しています。両曲とも、絵と歌詞、曲が調和して作品世界を体現した、70年代アニメソングのなかでも屈指の傑作なのではないでしょうか。