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旧作ファンは困惑? 『ギャバン インフィニティ』と元祖「宇宙刑事」の決定的な違いとは

東映の新しい特撮シリーズとして、『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の放送が始まりました。圧倒的なビジュアルに驚愕する一方で、旧作『ギャバン』に馴染んだ視聴者には新ギャバンに対する戸惑いの声も少なくなかったようです。

どうしても感じてしまう「戦隊感」に意見分かれる

40年以上の時を超えて放送開始した『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』キービジュアル (C)テレビ朝日・東映AG・東映
40年以上の時を超えて放送開始した『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』キービジュアル (C)テレビ朝日・東映AG・東映

 終了から40年以上経った『ギャバン』がついに帰ってきました。東映特撮の新シリーズ「Project R.E.D.」の第一弾として、『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』(以下、『ギャバン インフィニティ』)が2026年2月15日から放送が始まりました。最新VFXで描かれる光り輝くスーツに歓喜の声がある一方で、旧作『ギャバン』当時からのファンの間では戸惑いを感じる人もいたようです。

 事前情報からわかっていたことではありますが、ファンが驚かされたのは「ギャバン」がひとりではない点です。旧作の宇宙刑事はひとりで宇宙犯罪組織に立ち向かう「孤高の戦士」でした。宇宙刑事が共闘したのは第2弾『宇宙刑事シャリバン』最終回の、たった一度きりです。

 一方『ギャバン インフィニティ』は初回からいきなりふたりのギャバンが登場しました。しかも「やんちゃなレッドタイプ」と「クールなサブリーダータイプ」という構図です。ひとりで全てを背負うからこそ際立っていた「個だからこその魅力」よりも、多様な個性のぶつかりあいを描く「スーパー戦隊」シリーズを思い起こさせるものでした。

 ネット上でも、「近年の戦隊と『ギャバン』を足して2で割ったみたいな印象」「5人揃って◯◯って名乗りを挙げたらもう戦隊モノと変わらない」といった声が見られます。しかし、「昭和版とは全く違う新しいタイプで、令和版のギャバンの登場が楽しみ」と、新しい設定を受け入れる声もあります。

「蒸着」の美学は別の形に? 変身アイテムの挿入

 旧作の「蒸着」は、ヒーロー変身の構造を変えた画期的なアイデアでした。変身ポーズの途中で「敵に襲われるのでは?」とツッコミが入りそうな問題を、「わずか0.05秒にすぎない」という設定と解説パートによって解決し、リアリティと鮮やかさを両立させたのです。

 それに対して『ギャバン インフィニティ』は、蒸着前に「ギャバリオントリガー」というアイテムを取り出す動作が加わりました。ビジネス面を考えれば「変身玩具」の投入は避けて通れないのでしょうが、往年のファンからすれば「その間に敵に襲われるのでは?」の問題が再発し、「蒸着」の意味を問い直したくなってしまいます。

 蒸着シーンに対しては「◯◯空間いかんのかい! とツッコみたくなった」「旧作のようにもう少しカチッとした雰囲気でやって欲しかった」などの意見はあるものの、アイテムをセットした後は電光石火の変身が踏襲されていることから、「これはこれで新鮮味があって良かった」と、新しい演出に好意的な意見もありました。

「絶対悪」が不在、複雑な展開を予感?

 第1話冒頭では、早々に「魔空空間」という単語が出てきました。旧作に登場した宇宙犯罪組織「マクー」の存在こそ明らかになっていませんが、今後物語に関わってきそうです。しかし、今のところ主人公たちに立ちはだかる「敵」の存在が明確になっていません。悪がはびこる原因が、人の感情が元になる負の「エモルギー」と設定されていることもあって、「絶対に許せない悪」が存在しないのです。

 というのも、第1話で倒されたモンスター「エモンズ」は、「多元地球Λ8018」で暴動を起こした思想犯「葛見仁志」から出現しました。葛見には彼なりの正義があります。葛見を一方的に悪と決めつけることはできません。葛見を倒したことで、多元地球Λ8018の指導者の搾取や横暴がさらに強まる可能性もあるのです。

 複雑な社会情勢を反映した設定ではありますが、旧作のように「魔空空間」での死闘から「ギャバン・ダイナミック」で粉砕するような、勧善懲悪のシンプルで強烈なカタルシスとは違った演出だと感じました。

 光と影、主役と脇役、正義と悪のコントラストが明確だったからこそ、旧作は傑作となりました。一方、令和の『ギャバン インフィニティ』は、全てに光が当たって綺麗すぎる印象を受けます。複数の次元で活動する「ギャバン」どうしが出会う場面もさっそく描かれ、さまざまな立場のキャラクターが複雑に入り乱れる展開を予想させます。視聴者からも、ビジュアルやアクションシーンはもちろんだが「ストーリー性」も重視する声が見られるため、第2話以降でどのような設定が明かされていくのか注目です。

 現状のところ『ギャバン インフィニティ』の評価は分かれているようですが、まだ第1話が終わったばかりです。美形なキャスト、洗練されたスーツ、多機能なアイテムなどの設定が新たなファンを取り込み、旧作ファンも納得させて「赤色の伝説」に新たな輝きをもたらすのか。今後の展開に期待したいです。

(LUIS FIELD)

【画像】「えっ、いつ撮った」「めちゃ近所じゃん」これが『ギャバン インフィニティ』1話で壮絶バトルが描かれた「ロケ地」です(5枚)

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LUIS FIELD

マンガやアニメをこよなく愛するライターが多く在籍する編集プロダクションです。幅広い年代が所属し、レトロ系から新作までおさえた「語りたくなる」記事を心がけています。

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