【シャーマンキング30周年への情熱(31)】今後のバトルで重要な「オーバーソウル」とは何か
「オーバーソウル」と巫力の関係とは?
例えば、シルバの精霊・シルバーウィングの場合、普段は指輪に収まっていますが、シルバの羽飾りに憑依合体(的なことを)することで、オーバーソウルが起こります。羽飾りからあふれ出たシルバーウィングの一部は、シルバが巫力で翼の形に具現化しています。なお憑依合体させる媒介は、霊の能力のシンボルでなければなりません。シルバーウィングは鳥なので、羽が媒介になります。
これを葉に当てはめると……阿弥陀丸は普段何かに収まっているわけではないので、シルバの指輪に相当するものはありません(原作では位牌に入っていることもありますが)。阿弥陀丸は侍なので、刀である春雨と憑依合体することでオーバーソウルが起こります。その時、あふれ出た阿弥陀丸の一部を葉が巫力で具現化したのが、巨大な炎のような形をしたものです。
ただし、それは阿弥陀丸の全てではありません。彼は春雨のなかにいます。そして阿弥陀丸がこのような形状になっているのは、葉の巫力の影響です。
巫力は、物質(媒介)から追い出されそうになっている霊をそこに留めることと、あふれた霊を具現化することの両方に消費されます。巫力が少ないと追い出すのを抑えられないので、オーバーソウル現象は起こせません。中途半端な巫力だと、オーバーソウル現象は起こせても、あふれた霊を具現化できません。かといって、たとえ巫力の量が十分でも、コントロールを間違うと無駄に消費され上手くいかないでしょう。
この点、葉は初めてにして阿弥陀丸のあふれた霊体を具現化できていました。シャーマン能力が高く将来性もあることが明確にわかります。ただ、よくわからない形状になっているのは、巫力が足りないかコントロールが上手くできていない結果です。オーバーソウルがシャーマンファイトでの勝利に不可欠だと知って、今後この問題をどう改善していくのか……葉の成長に期待が高まりますね!
なお繰り返しますが、「オーバーソウル」とは霊が物質からあふれる”現象”のことです。翼やムチやトーテムポール砲や”巨大な炎のような形をしたもの”そのものではありません。あれは「オーバーソウル現象で媒介からあふれた霊の一部を、巫力で具現化したもの」であり、これらは区別して考える必要があります。
しかしこの先、『シャーマンキング』では、それらすべてを「オーバーソウル」とひと言で呼ぶようになります。シャーマンファイトではその能力を使えることが前提なので、全員が「オーバーソウル」と言われただけで、何のことか理解できるほど当然のものだということを表現しているのでしょう。ぜひ皆さんもこのことを記憶にとどめ、アニメ『シャーマンキング』をお楽しみいただければと思います!
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)