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還暦すぎても『ゼンカイジャー』でヒロインに! 榊原郁恵さんが才能を見せつけたTV番組たち

未来人、魔法使い、宇宙人…さまざまなヒロインを演じた20代

ミニアルバム「機界戦隊ゼンカイジャー 4」には、榊原郁恵さんが歌う「カラフル☆ワンダフル」も収録(画像:日本コロムビア)
ミニアルバム「機界戦隊ゼンカイジャー 4」には、榊原郁恵さんが歌う「カラフル☆ワンダフル」も収録(画像:日本コロムビア)

 若い世代のみなさんに郁恵さんのデビュー時代のころのお話をしたいと思います。郁恵さんの芸能界デビューは1976年。今年2021年はデビュー45周年になります。『ゼンカイジャー』はスーパー戦隊シリーズの45作品目ですから、奇妙な縁がありますね。

 この翌年の1977年に『私の先生』で歌手としてデビューしました。キャッチフレーズは「一億円のシンデレラ」。「いとしのロビン・フッドさま」「夏のお嬢さん」などが代表曲でしょうか。

 歌手としての才能ももちろんありましたが、それ以上にトーク力に優れていて、10代のころから『レッツゴーヤング』(1979年)、『NTV紅白歌のベストテン』(1980年)といった歌番組の司会を務めるほど。さらに女優としてドラマにも数多く主演しています。

 代表作ともいえる『ナッキーはつむじ風』(1978~1980年)は人気ドラマとして郁恵さんの知名度と好感度をさらに高め、その人気の高さから第二弾である『愛LOVEナッキー』(1980年)が製作されました。

 この頃、製作は東映、原作が石森章太郎先生、メインライターが上原正三さんという特撮作品のようなスポ根ドラマ『燃えろアタック』(1979~1980年)の第1話にゲスト出演しています。『ゼンカイジャー』出演前から、郁恵さんは東映ドラマとは縁がありました。

 そして、初の主演作である『UFOセブン大冒険』(1978年)から始まったシリーズがファンには思い出深いことでしょう。3978年の未来からUFOに載ってきた少女・フェルメーテを演じ、姉としてピンクレディも出演していました。実はこのシリーズは「ローカルセールス枠」という、一部の地域では放送していない作品で、マイナーな部類に入るかもしれません。

 しかし、放送地域での人気は高く、『コメットさん(新)』で人気だった大場久美子さんとダブル主演だった『マジカル7大冒険!』(1978~1979年)、『少女探偵スーパーW』(1979年)と続き、単独主演となった『ミラクルTV大出動』(1979~1980年)、『スターダッシュNo1!』(1980年)と2年半もの間、主演を続けていました。このシリーズはバラエティ番組形式の特殊なドラマで、郁恵さんはタイムトラベルしたり、宇宙人になったりと、さまざまな演技を見せています。

 それから忘れてはいけないのが、ブロードウエイミュージカル『ピーターパン』。この舞台で1981年から1987年まで主演のピーターパンを演じています。日本初だと言われるフライングに挑戦したことも話題で、その人気は日本のミュージカル史上で初演時に採算をとれたのは初めてだと言われていました。

『ピーターパン』を降板した郁恵さんは半年後、『風の中のあいつ』での共演がきっかけで俳優の渡辺徹さんと結婚。その結婚式は生中継され、平均視聴率40.1%という数字を叩き出しました。

 まだまだ語ることは多いのですが文章量の都合で失礼いたします。しかし、これで『ゼンカイジャー』で郁恵さんがピーターパンのコスプレをした理由が若い方たちにも理解できたことと思います。番組はそろそろ佳境ですが、残りの放送も楽しめればと思います。

(加々美利治)

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