20周年迎えた『忍風戦隊ハリケンジャー』 根強い人気を支える「絆」の力とは?
20周年を迎えた「スーパー戦隊シリーズ」の人気作『忍風戦隊ハリケンジャー』は、さまざまな新機軸を導入した意欲的な部分がファンに受け入れられた作品です。そこにはスタッフの固いチームワークがありました。
人も知らず 世も知らず 影となりて悪を討つ!
本日2月17日は、20年前の2002年に『忍風戦隊ハリケンジャー』が放送を開始した日です。スーパー戦隊シリーズ第26作にあたる作品でした。
忍者モチーフは第18作『忍者戦隊カクレンジャー』以来となりますが、本作では空、水、陸といった要素や、流派というカテゴリで、ひとりひとりの役割をより明確にしています。また、当初は3人戦隊という点も、第12作『超獣戦隊ライブマン』以来、14年ぶりでした。
メインである忍風戦隊ハリケンジャーは赤、青、黄色という、3人戦隊では定番のカラーリングになっています。これに追加戦士ならぬ追加戦隊として登場した「電光石火ゴウライジャー」は、ハリケンジャーで使用している赤と青をあえて使っていました。これは違うチームということを強調させるためですが、色の濃さは変えています。
ゴウライジャーは、登場当初は敵の幹部である「暗黒七本槍」のメンバーであるというミスリードのため、悪の幹部扱いでオープニング映像に登場していました。こういった作劇は、前作『百獣戦隊ガオレンジャー』で悪役ながら人気があり、搭乗する巨大ロボのオモチャのセールスが好調だった狼鬼の影響もあったようです。
さらに6人目の追加戦士枠として登場したのが「天空忍者シュリケンジャー」でした。このシュリケンジャーは特異な存在で、素顔が最後まで明かされず、毎回、違った役者が変身前を演じています。この変身前を演じる役者が、かつてスーパー戦隊シリーズでヒーロー役を担当していた人たちで、視聴者の興味の的となりました。
このように本作では、それまでのシリーズになかった3つの流派(戦隊)が共闘するという点で他の戦隊と一線を画しています。実際に最終回の冒頭は、生き延びたハリケンジャーの3人だけで最終決戦に挑むという展開でした。
本編でも流派ごとの呼び名で敵から呼ばれるなどしていましたが、これ以降のシリーズで再登場する際などは、6人まとめてハリケンジャーとされることが多くなっています。
余談になりますが、本作がシリーズではじめて「〇〇ジャー」と名付けられた戦隊でした。それまでは「○○レンジャー」と呼称されていたのが、本作から「○○ジャー」というやや省略された形でネーミングに幅を広げることになります。
また、放送途中からオープニング前にアバンタイトルとして本編が始まったり、番組終了時の提供バックに次回エピソードの映像を流したり、最終回で冒頭のオープニングを省略して終盤でオープニング曲を流すスタイルを取ったりと、ドラマ面のフォーマットで革新があったことも、後のシリーズ作に影響を与えています。