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【シャーマンキング30周年への情熱(61)】「シャーマンファイト」決戦の地は「ムー大陸」

「正義とは何か?」で激突したマルコとラキスト

ハオとの力の差を見せつけられた葉たちは、彼を倒すための作戦を決行する。アニメ『シャーマンキング』第46話より  (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
ハオとの力の差を見せつけられた葉たちは、彼を倒すための作戦を決行する。アニメ『シャーマンキング』第46話より  (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京

 ムー大陸は約1万2千年前に太平洋上にあったといわれ、某アメリカの作家がチベットの高僧から聞いた話では、高度な文明を持ち繁栄を極めたものの神の怒りによって一夜で海底へ沈んだ……とのこと。この作家とはジェームズ・チャーチワードという人物です。彼は自分の経験と分析を「失われたムー大陸」という本に著していて1968年に日本語版も出ています。筆者もその昔、古本屋で手に入れました。図解も入っていてロマンあふれる内容です。

 ムー大陸はハワイから南の太平洋にドーンとありました。オーストラリアの北東から南米大陸の間には小さな島々(ポリネシア諸島)がありますが、これらはムー大陸の名残でイースター島は西の端です。ちなみに東の端には小笠原諸島が含まれるという説もあります。現在、ムー大陸の存在は完全に否定されていますが、それはパッチ族が行った隠蔽工作だと考えるのが良さそうです。

 なお、ハオが語っていた「海域に近づいた者全てが消息を絶つという魔のトライアングル」とは、バミューダトライアングルのことですね。

 さて、ムー大陸に到着早々勃発したのは、マルコとラキストの戦いでした。ここはシャーマンキングとパッチの聖地。麻倉葉たちは立ち入ることが許されない場所をムリヤリ通って儀式中のハオを倒す作戦でしたが、当然ながらパッチだけでなくラキストもハオを守ろうとします。そしてこの戦いは「正義とは何か?」の激突でもありました。

 ラキストは「正義」とは「勝者」のことだと言います。勝者が正義で敗者は悪……確かにこれは現実の歴史が物語っています。そのため彼は正義を語り振りかざす者を否定します。マルコもそのひとりですが、彼の「正義」はラキストの考えとは異なります。

 それは「愛」です。人を思いやり、信頼するといった「愛」によって人は救われる、だから他人も愛そうとするという考えから、愛に背くことが悪でハオもそうだと言い切ります。これもまた正しいと言えるでしょう。そしてこれらの想いは対立するものではないのですが、結局ふたりは引くことを知らず、相打ちという形で決着をつけてしまうのでした。

 その後、前に進む葉たちの前に立ちはだかったのが、パッチ族のシルバです。彼は500年前にパッチに転生したハオの子孫として複雑な思いを抱いていましたが、何を考えて行く手を阻むのか? そして今の葉との力量差はどの程度なのか? 次回それが判明します。楽しみに待つとしましょう!

 それでは今回はこの辺で。またよろしくお願いします!

(タシロハヤト)

【画像】現代兵器をも圧倒する、『シャーマンキング』ハオ様の戦闘シーン(6枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k