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アニメ『放課後さいころ倶楽部』 少女たちの心をつなぐ、珠玉のボードゲームたち

自分の限界を超える「勇気」とゲームがシンクロする

アニメ第3話で、ミキら3人がプレイする『インカの黄金』
アニメ第3話で、ミキら3人がプレイする『インカの黄金』

 アニメ第3話の『インカの黄金』は、フランスとアメリカのゲーム作家による共作で、2005年にドイツのゲームメーカーから発売されました(現在の日本語版はアメリカのゲームメーカーのリメイクに基づいています)。こういった多国籍なボードゲームには、幅広い層に受ける力があるように感じます。山札からカードをめくるたび、洞窟のなかを進むか引き返すかを選んで、探険が失敗になる前に宝石を集めて脱出するゲームです。

 アヤの家に遊びに行ったミキとミドリは、アヤの姉のハナと、その友達のマキと一緒に『インカの黄金』を遊ぶことになります。バラ柄のジャンパーを羽織り、アメの棒をくわえたままの怖そうなマキに、ミキはすっかり萎縮してしまいます。しかも同じ中学校で、「どこかで会ったことがある」と言われ、小さい頃にいじめられていた記憶も甦るなか、ゲームは始まりました。

 すぐに引き返す臆病なミキに、マキは「なあミキちゃん、自分よういじめられたやろ」とずばり見抜いてしまいます。しかし最後のラウンドでサシの勝負となったミキは、マキに「ここでアウトになったら自分ドベやで。今が引きどきや」と脅されたにもかかわらず、先に進むことを決断します。

「これがみんなの優しさからもらった私の勇気!」 そして、最高の宝を手にして大逆転を収めるのです。

 そこでマキ(牧)が名字で、名前が京子であると教えられ、ミキはかつて「狂犬の京子」に助けてもらったことを思い出します。「忘れたい記憶は洞窟と同じ。暗くて怖くて近づけへんかった。でも勇気を出して進んでいけば、宝石みたいな思い出やって、見つけられるんや……」

プレイを終えて喜び合う3人。ボードゲームは登場人物たちの心と心をつないでいく
プレイを終えて喜び合う3人。ボードゲームは登場人物たちの心と心をつないでいく

 このゲームに「分かっちゃいるけど止められない」ギャンブルの魅力を見出す人もいます。その一方で、ミキのようにすぐ引き返してしまう人もいます。実は、どちらの戦略でもゲームに勝つことはできません。

 臆病ならもう少し積極的に、無謀ならもう少し冷静に。

 性格が出るゲームであると同時に、その性格にもう一味を加えることで、ミキのように、新しい自分と新しい仲間を発見していくことができるのです。

(小野卓也)

※アニメ『放課後さいころ倶楽部』は、毎週水曜日26:11よりABCテレビで、毎週木曜日24:30よりTOKYO MXで放送中。dアニメストア、Amazonプライム・ビデオ、GYAO!などでも配信されています。

(C)中道裕大・小学館/放課後さいころ倶楽部製作委員会

●小野卓也(おの・たくや)
1973年生まれ。山形県の曹洞宗洞松寺33代住職を務める傍ら、国内最大のボードゲーム情報サイト「Table Games in the World」を運営している。

【画像】『放課後さいころ倶楽部』心と心が触れ合う、ボードゲームのシーン(7枚)

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